生活保護騒動の裏にあるもの
2012/7/10 部長次長 さん
お笑い芸人の河本準一の母親が生活保護を受けていたことが、多くの波紋を投げかけていますが、彼の鬼嫁のエピソードは有名です。その鬼嫁が母親に生活費は渡さないと公言しているという噂があります。ふつうに考えれば、人気芸人が母親一人養えないなんてことはないだろう、不正受給と思えますが、河本家の場合は問題はそこではなさそうです。
河本家の話はともかくとして、親族でも面倒を見るのが難しいから生活保護を受けているという人がいます。
生活保護の不正受給ばかりが大きく報道されますが、生活保護を受けている大部分は高齢者、家族に無視されているという現状があるように思うのです。
年金よりも生活保護費の方が高いという批判もありますが、年金生活者も生活保護を受けている人も両方高齢者だとすると、この二つは分けずに同じ問題として扱った方がよいのではないでしょうか?
また、働けるのに働かない若者が受給するのはおかしいという批判も見受けられますが、一度仕事を失うと再就職が難しい時代になってきています。
身内の少なくなっている高齢者に比べれば、若者の生活保護受給の方が審査が厳しく、生活保護が下りなければホームレスか自殺に追い込まれることだってありえます。
円高で企業はどんどん海外に進出し、日本人ではなく数ヶ国語が話せる外国人を採用します。また、国内は高齢者の比率が高くなっているため、消費が少なくなっているという現実。
その結果、働ける若者がホームレスになる確率が高くなっています。「若いんだから働けるだろう」というのは、楽天的な考えだと思います。
今は、私達が育ってきた高度成長期の恵まれた時代とは違います。この時代背景を考えれば、生活保護は最後のセーフティネットですが、その前にもっとほかの形の受け皿が必要でしょう。
マスコミは不正受給ばかりを大きく取り上げ、政治家は生活保護費を削ることばかり考えている。何か大きな問題が見過ごされているように思えてなりません。
生活保護と失業保険の間にもう一段階、セーフティネットが必要だと思います。
役所は、「どうしたら生活保護受給者を短期間で、通常の働き手に戻せるか?」という視点で生活保護費を配らないと、単なるバラまきで終わってしまうでしょう。
所持金が600円しかない母親を、生活保護の担当職員が申請書の交付を拒否したというニュースがありました。
生活保護申請の窓口に来る人はギリギリで来ているから、追い返されたり、審査に時間がかかるとどうなるかということについて、役所はもっと前向きに取り組むべきです。
たとえば、仕事のない人には仕事の斡旋を、家賃滞納でアパートを追い出されそうな人には一時的な簡易宿泊所の提供など、役所はそういう努力をせずに事務的にお金だけ渡すというのも、ちょっと考えれば現在のような状態になるのは目に見えているのにそれをやらない。
また、生活保護をもらう側はもらう側で、もらっている間を無気力に過ごしてしまえばそこはブランクとなり、仕事を探すときの障害になります。生活保護者には職業訓練の手配をするなど、そこにもいろいろとやり方はあるはずです。
今回の騒動で生活保護制度に見直しが入ったのはいいことなので、これを機会にセーフティネットの根本的な改善がなされることを期待します。
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