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「胃ろう」を悪者にしないで

2013/10/7  さゆり さん

シニア|健康
「胃ろう」という言葉に対して「癌などの終末期で、口から食べ物を食べられなくなった患者にほどこされる、最後の手段」という印象が、近年特に強まっている気がします。

そのため、医師から胃ろう造設の打診があってもそれを断って、静脈への栄養注射など、別の栄養補給にこだわる人が増えているそうです。
「胃ろう=終末期医療=二度と口からものを食べられない」という世間の印象があまりにも強くなったため、本来であれば「胃ろうをいったん造っても、その後の経過次第では胃ろうを閉じて健康を回復できる可能性が充分にある」という人でさえ、胃ろうを拒否するケースが多いのだとか。

確かに、自分も病気等で終末期の状態になったのであれば「胃ろうを造ってまで延命するべきものなのか」とためらうかもしれません、ですが、胃ろうは終末期医療のためだけにあるものではない、ということも、もっと世間に知ってほしいのです。

というのも、私が実は、かつて胃ろうを経験した立場の者だからです。脳梗塞がきっかけで、嚥下障害の症状が出たため、リハビリでそれが回復するまでは、胃ろうによる栄養補給をしていました。
しかし今ではもう胃ろうを閉じて三年近くになり、少し身体的に脳梗塞の後遺症は残っているものの、ほぼ普通の生活をおくることができています。

胃ろうは静脈への栄養注入よりもしっかりとカロリーが摂取できるため、栄養不足による体力低下が起きにくいことが大きな利点だと実感しています。
私がいまこうして、ほぼ普通に生活できるのも、胃ろうでしっかりと栄養を摂ったことが功を奏している部分も多いあると思っています。

それに、胃ろうをつけた状態の時でも口からものを食べることはできるので、摂食訓練がしっかりとできたことも、非常に助かりました。

私のように、「胃ろうを造っても、後に回復して外せる見込みがある」という状態の人なら、当面の栄養補給の形として胃ろうを選ぶのは最適の選択だ、と思うのです。他の方法ではどうしても、栄養が足りなくなる可能性が高いのですから。

最近の「胃ろうをやってまで生きたくない」という世間の風潮がエスカレートして、あまりにも胃ろうが悪者扱いされているのが、胃ろうで救われた身としては悲しくて、今回投稿しました。
この投稿が掲載されたら、せめてこれを読んでいる人には、「胃ろうは使いようによっては素晴らしい医療処置になるものであって、決して終末期の無理な延命だけに使われる悪者ではない」ということを理解してほしいです。



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