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認知症によくある症状~徘徊~

2015/7/1 

認知症を発症して少し症状が進行した頃に起こりやすいのが徘徊です。
徘徊中に行方不明になる認知症患者は、年間1万人にも上るとの報告もあります。
徘徊中に事故を起こして死亡するケースもあります。
家族の介護負担を大きなものにする徘徊。
実態と対策をまとめてみました。

【思いがけず遠くまで行っていることも】

家族が目を離した隙にいなくなってしまう徘徊。
夜中でも雨が降っていても、靴も履かずにサッと出掛けてしまう人も少なくありません。

家の中でうろうろしている時には、自分の部屋を探していたりトイレを探していたりしていることがほとんどなので、さりげなく声を掛けて行きたいところまで誘導すれば大丈夫ですが、一旦自宅から出てしまうと、なかなか見つけることはできません。

徘徊で家から出る時には、自分の実家に戻ろうとしたり自分が勤めていた会社に行こうとしたりしていることが多いと言われていますが、実際に実家や会社に行き着くことはすでにできなくなっています。

そのため、家族が思い当たる場所を探しても、見つけることは非常に難しいのが実情です。

ただし、

「自分の家に帰る」
「会社に行く」

という目的があって家を出たので、傍目にはしっかりと目的を持って歩いているように見えます。
あてどなくさまよっているという印象は与えないことが多いと言われています。

かなりの速さで歩くことが多いようです。
認知症に罹っていると、疲れたという感覚も乏しくなるため、どんどん歩き続けます。

運良く発見された時に、家族が驚くほど遠くに行っていたということは少なくありません。

【徘徊中に事故を起こすことも】

徘徊が現れる段階では、認知症の症状はある程度以上に進んでいますので、何かを思いつめている時には周囲に気を配ることができなくなっています。

車が走っている道路の真ん中を歩いたり、電車が近づいてきているのに線路に入ったりすることもあります。それがいかに危険なことかを認識できなくなっています。

徘徊中に外出した目的を忘れて迷子になってしまい、公園で寝起きすることもあります。
警察官が保護しようとして声を掛けても、意外としっかりとした受け答えをするために、警察官が認知症と気付かず、衰弱死したというケースもあります。警察官に保護されても、自分の名前や住所を正確に言えず、行方不明者として福祉施設に保護されることもあります。

【徘徊に家族はどう対応したら良い?】

徘徊は大きな社会問題になっています。
介護者の負担を著しく大きなものにし、認知症患者の命を脅かす危険性があるからです。
老老介護で認知症の夫を世話していた妻がちょっとうとうとした隙に、徘徊した夫が線路に入って事故を起こした事案では、妻の責任を問う判決が下されています。認知症介護の実態が十分に理解されていないと、家族会は強く抗議しています。

徘徊が始まったら、在宅では介護しきれないからと施設を探すようになりますが、施設によっては徘徊があるというと入居を拒むケースが少なくありません。万一の事故を慮ってのことです。

徘徊しても、自宅に戻ってこられるように、下着に名前を書いておく、上着の背中の襟に迷子札代わりのワッペンをつけてみる、GPS機能の付いた小さなアクセサリーを持たせるといった工夫を、まずはしてみましょう。

玄関の鍵を手の届かない所に置いたり窓の鍵を開けにくいものにするといったことも試してみると良いでしょう。

ただし、閉じ込めるという姿勢があまりに強いと、本人は不安が募って一層家を出たがるようになります。

「ここが安心できる場所だ」

と感じられるようにすることが、徘徊を少なくするうえで、遠回りのようで近道のこともあります。
そのためには、家族が問題を抱え込まないことが大切です。ケアマネージャーや民生委員に実情を相談し、地域の状態に即した対策を一緒に考えるようにしましょう。