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「成年後見制度を利用した場合にできることできないこと」 その2

2016/2/15 

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前回、成年後見制度を利用した場合の不都合な点をお伝えいたしました。
ちなみに成年後見制度が悪いということではないのです。

成年後見制度にはその制度趣旨があって、それは平たく言うと「法的に能力が不足している人の財産管理をする人を家庭裁判所が選んで、その人が財産を守る」ことにあるのです。

その趣旨にのっとって家庭裁判所が運用しているので、今の状況は当然の事なのです。

かたや、これからお話しする「民事信託」に関しては、「財産を持っている人が自分の管理運用をする人を決めて、あらかじめ決めたルールに則って管理してもらう」ことができる制度です。
成年後見制度とは制度趣旨が違うのですね。

ですので、民事信託は財産を所有している人が認知症などのご病気になってしまうと利用できません。
あくまでもご病気になる前に未然に対策をしておくことになります。
成年後見制度が「対処療法」であるのに対して、民事信託は「事前の対策」になります。


さて、最近利用が急増している「民事信託」制度ですが、どのような仕組みなのでしょうか?
これを具体的に見ていきましょう。

不動産を持っている磯野波男さん(80歳)。
今は元気ですが将来的に自分が持っている収益不動産(アパート)の管理について不安が生じてきました。

そこで今のうちに長男の磯野勝夫(55歳)に管理を任せようとしています。
前もって管理実務を学んでもらう意味もあります。

ただ、その収益は自分の生活のために使いたいという要望があります。

民事信託の仕組みを利用した場合、次のようになります。

まず波男さんと勝夫さん契約(信託の契約です)をし、勝夫さんが管理運用できるようになります。

勝夫さんは波男さんに変わり信託を受けた財産(アパート)について契約の更新をしたり、家賃の回収をしたり、いわゆる 1) 管理行為 をします。

そして回収した 2) 収入は波男さんが使用する ことができます。

その後例えば、波男さんが施設などに入らなければ行けなくなったとき、勝夫さんの名前で 3) 売買契約をし、売却をすることができます。

売却金は勝夫さんが管理しますが、波男さんの 4) 施設入居のためのお金や生活資金として使えます。

こうしておけば、波男さんに万が一不動産の管理ができない事態が生じたとしても、勝夫さんがきちんと管理できる仕組みが作り出せます。

この信託の仕組みは、信託銀行などがやるものではないので他人が関与して勝手に実行されてしまうという恐れもありません。

「信託」というとどうしても信託銀行が勧めているものと想像してしまいますが、それとは違うものです。家族が行う信託ですので、安心して進めることができます。

≪信託とその他の制度の比較≫


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