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お子さんがいない場合の相続対策

2016/7/1 

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お子さんがいないご夫婦の場合、相続対策として最近は遺言書をお互いに書き合う事が多くなっています。そうすることでご相続の時にあまり関わり合いのない相手の親族と遺産分割をせずに済みます。お子さんがいないと第2順位の相続人は直系尊属(通常は両親)となりますが、他界しているケースが多いので、第3順位兄弟姉妹(もしくは兄弟姉妹の子、いわゆる甥姪)が相続人になります。結果、その人たちとの遺産分割になります。夫婦で築いてきた財産を相手の兄弟と分け合うというのは心情的に納得ができない。そして、第3順位の兄弟姉妹は遺留分がないですから、遺言書を作成すれば、その内容がそのまま通ることになります。お子さんがいないご夫婦は「遺言書を書いておいたほうがいいケース」ベスト3に入りますから、私も特にお勧めしています。

問題は遺言書の中身です。こんな例がありました。

夫「自分が亡くなったら自分の全財産は妻に。」
妻「自分が亡くなったら自分の全財産は夫に。」

この二つの遺言書。実は必ず矛盾が生じてくるのです。つまりどちらかが先に亡くなった時点で、相手の遺言書は財産の行き先が無くなり、無効になってしまうのです。相手が亡くなった時点で遺言書を書き替えなければいけないのですね。書き換えなければ、遺された配偶者の親族に全財産が渡ることになります。つまり亡くなる順番によって最終的な財産の行き先が全く変わってしまいます。先にご主人がなくなれば奥さん側の親族に、奥さんが先に亡くなったらご主人側の親族に行きます。

「自分の財産は配偶者に残して配偶者の生活に使ってほしいが、もし財産が残ったら、自分の親族にも財産を分けたい。」

ご夫婦でお互いにそんなご希望があった場合、書くとしたら次のような内容になりますね。

夫「自分が亡くなったら自分の全財産は妻に。もし妻が先に亡くなっていた場合、自分の財産は自分の親族と妻の親族に半分ずつ分ける」
妻「自分が亡くなったら自分の全財産は夫に。もし夫が先に亡くなっていた場合、自分の財産は自分の親族と夫の親族に半分ずつ分ける」

こうしておけば、どちらが先に亡くなっても財産の行き先はそれぞれの親族に分けられることになります。ただし、この遺言書書き換えが可能です。例えば、夫が先に亡くなった時点で、妻のほうが遺言書を書き替え自分の親族側に全部分けるような遺言書を書くことも可能ですし、再婚をして、再婚相手に全財産を分けることも可能になります。

これに法的な縛りをつけるには、「民事信託」で仕組みを作る必要があります。自分の遺産の行き先を2代先まで決めることができるのが民事信託だからです。つまり配偶者に行った財産を配偶者相続後、自分の渡したい親族に相続させることができるのです。

 

 
 
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