友情、ジャンベ(アフリカン・ドラム)、ロマンスが、孤独な心の扉を開かせる。
喜びや癒し、そして悲しみを抱くジャンベの響きのようにいつまでも胸を打つ、忘れ得ぬ一編の物語。
『扉をたたく人』-theVisiitor-
2007年/アメリカ映画/1時間44分/35mm/1:1.85/ドルビーデジタル/原題:The Visitor/日本語字幕:太田直子 提供:東宝、ロングライド 配給:ロングライド 宣伝:ムヴィオラ
初老の大学教授と移民の青年との心の交流を描いた小規模な映画が2008年のアメリカ映画界に思いがけぬ大旋風を巻き起こした。アメリカでの封切り時の上映館はわずか4館だったが、その感動が、人から人へと伝わり、最終的には270館まで拡大。公開から6週目には全米興行収入トップ10にランク・イン、12週に渡ってトップ20をキープし、6ヶ月間に及び上映された。それが「扉をたたく人」だ。
■新しい人生の扉を開くのは、予期せぬ訪問者
愛する妻に先立たれ、コネティカットで孤独に暮らす大学教授のウォルター(ジェンキンス)。ある日、久しぶりにニューヨークにある別宅の扉を開けると、そこには見知らぬ若い移民のカップルが住んでいた。それがウォルターとシリア出身のジャンベ奏者タレク(スレイマン)との出会いだった。タレクにジャンベを習いはじめたウォルターは、これまでにない心の高揚を感じていた。ふたりの友情が深まっていく中、突然タレクが不法滞在を理由に拘束されてしまう。数日後、ウォルターのアパートを美しい女性が訪ねる。連絡の取れない息子を案じて、ニューヨークへやってきたタレクの母モーナ(アッパス)だった---。
■9・11以降の扉を閉ざしたニューヨーク
2001年9月11日に起きたテロ以降、アメリカは移民希望者や不法滞在者に対して厳しい措置を取るようになった。不寛容な空気が増し、その扉はかたく閉ざされてしまったかのようだ。冒頭のシーンでの頑ななウォルターは、その象徴に見える。しかし、彼は文化も年齢も職業も異なる人たちとの出会いによって、奥底いに眠っていた人間らしさを取り戻し、ふたたび生きる意味を見出す。それは、彼の心の扉をたたく他者からの思いやりであり、たたかれた扉を開くほんの少しの勇気だった。これこそが人と人とをつなぎ、人生の扉を開く鍵なのだということをこの映画は私たちに思い出させてくれる。
■監督・脚本:トム・マッカーシー
■出演:リチャード・ジェンキンス、ヒアム・アッパス ほか
■6月27日(土)、恵比寿ガーデンシネマ他、全国順次公開!
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