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櫻井 英明(さくらい えいめい)
株式新聞Weekly編集長。1980年明治大学卒。
日興証券にてエクイティトレーダー。
その後、インターネット証券の営業企画兼情報担当を経て現職。
最新経済動向を株式市場の観点から分析した未来予測に定評。
日々、新聞とは一味違う角度から株式の世界を斬る。
上場企業の社長へのインタビューを重ねている。
ラジオNIKKEI「株式チャンネル」月曜後場キャスター。
同放送で「櫻井英明のココだけの話」も展開中。
近著に「日本の経済これからどうなるの」(日本実業出版社)、「いちばんわかりやすい金融商品取引法」(中経出版)など。 |
IMF(国際通貨基金)
IMFの世界経済見通しが発表されました。世界全体は3.7%程度の成長。でも、アメリカは08年が0.5%、09年が0.6%で17年ぶりの低成長。日本は下方修正はされましたが、08年は1.4%、09年は1.5%と底固い見通しです。ある日銀のOB氏はこう行っていました。
「 外国人が日本株をどんどん売っても、円が弱くなるどころか、強くなっているのは、ある大臣の言うこととは全く違って、日本が経済面で一流国だからです。日本は人類史上初めて、モノ(貿易収支)、カネ(所得収支)、チエ(特許、アニメ収支)、対外競争力で三冠を達成、観光収支も黒字になりそうです。いずれも、相手国に喜ばれる黒字です」
文豪ゲーテは「もっと光を」と言いましが、日本経済は「もっと自信を」というべきなんでしょう。またIMFは金融機関のサブプライムローン関連損失を97兆円と試算しました。昨年10月には25兆円としていましたからかなりの拡大です。面白いのは、日本のバブルの後始末に投入された公的資金は96兆円。ほとんど同額です。そんなのアリ?っていう気もしますが・・・。しかもIMFは保有している金の12.5%にあたる403トンを売却するとの報道もありました。一気にではなく、今後数年間で売却する方針とされていますが理由は財政基盤の強化。売却額は約110億ドル(約1兆1000億円)にのぼる見通しです。IMFの金に対する相場観って結構正しそうです。
それにしても、IMFって、あちこちに顔を出すものですね。このIMF。正式名称は、国際通貨基金。戦後復興策の一環として国際復興開発銀行と共に1946年3月に創設された国連の組織です。例年2月にスイスのダボスで開催される「世界経済フォーラム年次会議」(ダボス会議)と合わせると、世界の金利や為替動向見通しの役に立ちそうですね。
関係ない
ところで日銀総裁は迷走を重ねた後にようやく決まりました。起こったことは日銀総裁が決定しても、株価は上がらなかったという事実。その意味では、今回の総裁決定はリトマス試験紙でした。政治の決定力のなさが株安の原因とされてきましたが、風景は実は全く異なるということ。極論すると、さまざまな市場は「誰が儲けましたか」というテーマで動いていると考えられます。そのためには、多くのことが起こったり、報道されたりします。でも、結局は「誰が儲けましたか」に帰着することになるように思えます。歴史もその繰り返し。この感覚を訓練しておくと、資産運用には役立つと思います。
もっとも日銀総裁迷走と決定の過程で儲けた人はほとんどいないでしょうが・・・。むしろ、昨年度の企業年金の運用利回りがマイナス9.74%で5年ぶりのマイナスとなったことの方が大変です。90年度以降の調査では、02年以降に次ぐワースト2位。例えば住友林業は想定利回りプラス4.5%が終わってみればマイナス8%。大きな背景は、サブプライムローン渦による世界的株安ですが、年金は問題は個人とともに企業業績にも影響します。日銀総裁云々よりも大きな問題。大体、誰も年金の運用成果に文句をつけないことの方が不思議ですよね。
市場では
「知ったらお終い」という格言があります。株式でも為替でも「理由が明確」になると、それはマーケットが織り込んでしますので、材料にはならないということ。と考えると・・・。活字や映像が「大変だ大変だ」と騒ぐときは、もはや材料は出尽くし。あるいは業者さんが「海外のものがいい」と声高に勧めるときには、為替は危ない局面。あるいは、同様に「リスクはなくなないけど、少ないです」という時は、その少ないリスクが発生する可能性大。斜に構えることもマーケットでは必要かも知れません。ただ・・・。
このところの各社の社長取材で感じるのは「今後2~3年が設備投資のタイミングでそれこそ今しかない」と話す社長が多いこと。となると・・・。これから決算発表が始まりますが、今期の設備投資は意外と減らないかも知れません。単に肌で感じる印象ですが、市場の企業業績に対する懸念は少し過大とも思えてなりません。
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