初恋を経験した遠い昔のことだ。自らに男らしさを強いていた私が、俄然詩作に耽り、徹夜がかりで日記を付けたりと、何とも女々しい数年を過ごした。流れ星を探すようになったし、風に願いを込めて、紙飛行機を飛ばしたりした。「面白いよ」という佐藤さとるや安房直子のファンタジー童話を読み尽した。ゲーテの格言を暗記した。映画『ひまわり』に泣いた。１日に数え切れないくらい君の名を心に呼んだ。今は昔、全ては遠い昔の話だけれど。