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観光ボランティア一年生

2013/1/9  二本松 さん

定年後の生活|働く
二年前、夫に先立たれてしまいました。夫がやっと定年退職を迎え、さあこれから二人で第二の人生を楽しもう、と思っていた矢先の出来事でした。急病でしたので看病すらじゅうぶんにすることができず、私は「これまで懸命に働いて、家族を支えてくれた夫に何の恩返しもできなかった」と思い、夫亡き後は鬱々とした気持ちで日々を過ごしておりました。

しかし、そんなある日、娘に「お母さんがいつまでも落ちこんだ顔をしていたら、お父さんはどう思うだろうね。お母さんの様子が心配で気になって、成仏したくても成仏できなくなってるんじゃない? もっとお父さんに明るい報告ができるようになろうよ」と言われたのです。

その言葉を聞いて、自分の気持ちを切り替えなければと思いました。明るい家庭が好きだった夫が今の私を見たら、確かに悲しむだろうなと。
どうにかして、私が元気を取り戻さなければいけないと思ったのです。

でも、どうやって元気を出すようにしたらいいのだろう・・・と思っていたところ、市の広報誌で、地元の観光協会が、観光ボランティアの募集をしていることを知りました。
我が家は有名観光地からほど近いところにありましたが、そういえば夫も、地元の観光地がかなり好きで、休みの日などにちょくちょくと一緒に足を運んだな・・・ということを思い出したのです。

私がするべきことはこれだ、と思いました。夫も好きだった、地元の観光地の魅力を伝える手伝いをしよう、と、ボランティアをすることを決めたのです。
私は少し手話ができるという特技を持っておりましたので、手話のできる観光ボランティアはありがたい、と観光協会からも歓迎していただけました。

観光地のことをきちんと知っておくために研修も受けました。それまで漠然としか見て回っていなかった地元の観光地に、こんな由来があったのか、こんな見所があったのかと、新たに発見することが多く、とてもためになる研修で楽しかったです。

そして私は今、観光ボランティア一年生として、観光案内をさせていただいてます。まだまだスムーズに案内できないことも多いのですが、観光地に興味を持っていただけるよう、好きになっていただけるよう、心をこめて案内をさせていただいているつもりです。

観光ボランティアをして一番嬉しいと思うことは、観光案内が終わった際に、「ありがとうございました」の声をかけてもらえることが非常に多い、ということです。
観光ボランティアはあくまでボランティアであって、自分が好きでやっていること。ですから見返りは期待していないつもりなのですが、やはり、お礼を言っていただけると嬉しくなります。

また、観光に来られた方の中には、私の観光案内をしっかりと聞いて、メモを取られる方もいらっしゃって、「これは絶対に間違えたことは言えない」と、良い緊張感を持てるのもいいですね。

おかげさまで、以前よりもずっと、笑顔になれる日が増えてきました。今の私の姿を見たら、夫も安心してくれるでしょうか。これからも、夫に対して「大丈夫、私はこうして頑張ってるよ」と言える自分であり続けたい、そう思っています。

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