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シニアの声(21)「道徳」の教科化は必要か

2013/3/1  かざぐるま さん

定年後の生活
安倍内閣の教育再生実行会議が提言した「道徳の教科化」をめぐって、国民の間からさまざまな意見が聞かれます。
そもそもこの問題が提起されたのも、いじめや体罰などの教育現場における不祥事が頻発したことによるものです。
しかし、だからといって、「道徳」を教科に取り込み、学校教育できびしく教えるべきであるとするのは、いかにも短絡的議論に過ぎるような感じがします。

「道徳の教科化」については、過去たびたび学校での不祥事が表面化するたびにクローズアップされてきた問題です。
そのつど、「道徳は価値観につながり、それをストレートに子どもに押し付けることは出来ない」「心の問題を、学力で評価できない」「道徳を教えることの出来る人格者の先生が果たしてどれだけ存在するのか」等々。
常に議論百出で、まとまらなかったのがこれまでの経緯です。

今回、改めて持ち出されているのは、いじめなどの問題とともに、憲法改正を指向する安倍内閣の“政治哲学”と無縁ではないと思われます。
が、それはともかくとして、道徳や生き方の問題を学校教育の場で教えるというのは少々お門違いのような気がします。
現在も小中学校には「道徳」の時間があるにはありますが、正式な教科ではありません。
したがって、「検定ずみ」の教科書が使われることもありませんし、成績が点数評価されることもありません。

シニアの皆さんの中には戦前の「修身」の教科をご存知の方もいらっしゃると思いますが、今回の道徳の教科化も、それへの回帰のような感じがしないわけではありません。

たしかに、子どものいじめの問題、あるいは犯罪の低年齢化などの問題は、日本人の道徳観が崩れつつある現状を反映しているようにも思われます。
それだけに、「人間としての生き方の座標軸は不可欠」といった専門家の声が出てくるのも分からぬではありません。

しかし、人としての生き方は、さまざまであって良いし、子どもたちの持ついろいろな可能性を、政治や社会によって方向づけられることがあってはなりません。
ただ、人として「やってはならないこと」の最低限の規範は、親としての日ごろ生き方、しつけ、あるいは教師の言動などから、子どもたちが学び取っていくものではないでしょうか。
「道徳の教科化」の以前に、親、教師自身が、自分たちの生き方を省みながら、子どもに何を教えるべきかを議論する場があって良いように思われます。

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