定年退職後の生甲斐を求めて
2018/9/17 誠二 さん働いている労働者がいつか迎える定年、私がこの職場に就いて40数年いろいろな事がありました。結婚に妻の妊娠そして長男が産まれ経済的に一層厳しくなり、「妻子を扶養していく」と言う重みを抱えつつその頃は長男の成長を見るのが楽しみでした。
その後、次男が生まれ周りの人に助けられながら生きていくのが精一杯でした。
今では長男は所帯を持ち、次男は仕事に必死です。父親としての役目はただ一つ、暖かい目で見守ってあげるしかありません。
そんな私も気がつけば65歳、「おつかれさま」と長男夫婦に言われた時は嬉しくてたまりませんでした。しかし「これから何をしようか」と生きる目的を失なった気持になり、長男夫婦に笑顔を見せても正直、不安が募り始めていたのでした。このようなことは事前に考えておくべきだなと、少し自分自身に反省しながらも趣味の盆栽を始める事になりました。剪定鋏は年季の入った物で枝を切る「パンパン」という久々に聞いた音がまた懐かしく感じるのでした。
丁度その頃、数少ない親友から電話がありました。親友は定年まで林業を営み、今は息子の代に任せているらしいのですが、そんな親友に近くの中学校から「林業の素晴らしさをシニア世代から中学生に教えてあげて欲しい」と打診されたのです。
私を誘い、二人で行けたらと思ってくれた友人に感謝です。数日後、打診した中学校教諭と話をする為に中学校に出向きました。
この年になり中学校に出向くとは思っていませんでした。チャイムの音、廊下を走る生徒の声、体育館の匂い全てが懐かしさを超越し新鮮に感じました。打診した教諭は親友の従兄弟でした。木工クラブの顧問をしており、プロの目から見た的確なアドバイスが欲しいという事で、私も手伝いをすることになりました。親友は「林業と言う危険な仕事をして来てこの技術を誰かに教えないと」としきりに言っていた事もあり、やっと叶った夢に二人喜びを共有し合いました。その夜は嬉しくて私の心に募った不安も消えて、夜遅くまで酒を飲み明かしました。
それから暫く中学校に通い、木材の切り方から釘の打ち方、電気工具の扱い方までゆっくり教えて行く日々が続きました。
教える方もいきいきと生きる事が出来る。共に学び、学生の気持に立つ事ができて本当に生甲斐を得る事が出来る充実感はなんとも言えませんね。(初稿:2011/06/25)
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