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世相を斬る!(18)東京オリンピックの再考を

2012/2/17  臥龍 さん

オピニオン|世相を斬る
このほどイタリアのモンティ首相が、2020年夏のオリンピック招致に国の財政保証をつけられないとして、事実上ローマにおけるオリンピック開催の立候補を断念したと伝えられました。これで注目されるのは、同じく立候補を表明している東京都の動きです。石原都知事は「敵が一人減ったのだから」と歓迎の意向を示していますが、イタリアと同様に財政危機にある日本として、立候補に再考の余地があるように思われます。

オリンピックは、IOC(国際オリンピック委員会)が、その肥大化抑制の方針を打ち出しているにもかかわらず、施設や運営にかけられる費用は膨張の一途をたどっています。2008年の北京オリンピックは、中国が国の威信をかけて開催し、巨額の費用とその壮大な施設、演出ぶりに、各国から批判を招いたことは記憶に新しいところです。その前のアテネ大会(2004年)では、関連予算が当初の7000億円から、最終的には1兆4000億円と2倍に膨らみ、それが、現在のギリシャ財政危機に拍車をかけた要因のひとつといわれています。

アテネ大会では、ギリシャ人にはなじみのない野球場なども建設し、そうした施設は大会後、活用されないまま放置されているといわれます。
モントリオール大会(1976年)では、巨額の赤字のツケとして、市民がその後20年にわたって増税を背負わされたという事実もあります。

オリンピックは、スポーツの大会とはいえ、どうしても国威の発揚や経済・産業の起爆剤という意図が込められます。北京大会などは、そうした意図が明確に表れていましたが、中国にとって初めての大会ということで、許された面があるかもしれません。
しかし、日本の場合、1964年の東京大会に次いで、今回の立候補は2度目です。前回の大会は初めてでもあり、経済成長を支援する側面があったことは事実でしょう。

現在は、国際的な経済環境、国内の状況は大きく変わっています。イタリア、ギリシャ以上に日本の財政危機は深刻です。
東日本大震災の傷跡も大きく、いまだに、多くの住民の方々が避難されています。そうした中で、2020年とはいえ、2度の東京開催を目指すのはいかがでしょうか。これから発展をめざす新興国の都市に、開催を譲る精神があってしかるべきと考えます。

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