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連載・つれづれ音楽生活・第六回

2008/10/1 



定年生活.com連載
定年生活.com連載第六回「『好き』とその先」
定年生活.com連載つれづれ音楽生活
相澤公夫プロフィール写真 相澤 公夫(あいざわきみお)

長年にわたり、日本の音楽シーンにおいて活躍。その演奏は、数多の歌手や音楽家が絶大な信頼を寄せる。これまでに携わった歌手やアーティストは、つのだ☆ひろ、杉山清貴、柳ジョージ、リンドバーグ、中村あゆみ、永井真理子、田原俊彦、江口洋介、鈴木雅之、永作博美、石嶺聡子、 CRAZE、石岡美紀、久宝留理子、大黒摩季、nana、松浦亜弥など多数。orange collar所属

 

先日、大変楽しく、また実におもしろく興味深い仕事を体験させて頂きました。

 

「アンビリーバボー」というTV番組があります。

その中のコーナーの一つで、世界のちびっ子腕利きミュージシャンを集め、

5人編成のバンド演奏を行う企画が収録されました。名付けて「スーパーキッズバンド」。

(だったような)

アルゼンチン、アメリカ、オーストラリア、日本、の多国籍編成で、各楽器に一人ずつ日本のミュージシャンのコーチが付き、僕は「キーボードの先生」をしたんですけど。

 

と、練習日において。おぉーっ!!びっくり仰天、驚いた!!!

この子供達のテクニックの凄まじい事といったら。またボーカルのお嬢さんの歌のうまい事といったら。皆さん、大体10歳〜15歳くらいの年齢だったんですけど、僕等にとっても難曲といわれる曲を、リハーサルの合間に、ちょこちょこ遊びで弾いてたりするんですよね。

スティービーワンダー「サーデューク」のリフや、チックコリア「スペイン」のユニゾンフレーズ、はたまたジャズのビバップ「ドナ・リー」やら。

またこっちではすんごいドラムソロやってたり。一体このお子たち、おいくつ?な、な、な、なーんでか?こちら、冷や汗たら〜りの、あごアーングリ状態でした。

(ただ子供達なだけに、ふと気が付くとお菓子やらカードゲームにすぐすっ飛んでいってましたけど、きゃつら。かわいい〜!!)

 

子供達に混じって、僕も何度も演奏させてもらったんですが、これがまた
実に楽しかったんです。
彼等は、唄を歌ったり楽器を演奏する事が、心の底から『好きで好きでたまらない』んですね。

この気持ちで演奏する姿、また演奏中こちらを見る真摯なまなざしに、おじさんはもう胸がいっぱいになってしまいました。

 

最近、自分にとって「音楽」って何だろう?なんて考えさせられる事もあったんですが、彼等と接する機会を得て、『あー、これこれ!!これなんよ!!!』と胸のすく思いがいたしました。

なんだかごちゃごちゃ考えるより、この『好き』って気持ちが大事、基本なんですよね。自分自身の内から湧き出る強烈な思い。誰に言われてやってるのでは無し、やりたくてやりたくてどうしょうもない気持ち。だからあんなに彼等はキラキラしてるんでしょう。

もちろん、その「好き」な事を見つけられたり、続けられたりできるのは、周囲の方々(家族だったり,仲間であったり)のおかげであることは言うまでもありませんが。
(僕自身、周りの人々には本当に感謝しています。)

 

僕にとっては仕事となってる面もある「音楽」ですが、やっぱりこの原点に帰る事の大切さを子供達に教えられた気がしました。

 

思えばこの子供達の年代、そしてもう少し後の20歳前位までの間に衝撃的に好きになった物というのは、誰しもその後のその人の生き方や価値観に、深く関わってくる気がします。

音楽だけでなく、本や映画、絵とかスポーツ、芝居、車、プラモ・・・(デアゴスティーニみたいになってきちゃった)

また今の時代ではアニメとかゲームとかも。(子供の頃から株?お金って人もいましたね、最近、しぶーっ。)考えてみたら対象としてはありとあらゆる物がありますね。

 

そしてやっぱり、それが何であってもそれらの物を大人になってもずっと大好きでい続けられたら、とてもハッピーな事だとも思えます。

{BREAK}

僕自身も「17、8の頃こいつに出会ってなきゃ、今頃この商売してないし、年中ラッパズボンのジーパンに長髪(総量減中)なんてなりをしてなかったのに〜」なんて『ニクーイ奴』(レコード)がたくさんいます。

 

定年生活.comブロウ・バイ・ブロウ
ブロウ・バイ・ブロウ
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ワイアード
定年生活.comライヴ・ワイアー
ライヴ・ワイアー
今回は最終回。恐縮ではありますが、そんな『ニクーイ奴』の中でもとびっきりの方をご紹介して、この連載、しめさせて頂きたく思います。

ジェフベックというギタリストのこの3枚。いずれもインストアルバムです。『ブロウ・バイ・ブロウ』『ワイヤード』『ライヴ・ワイヤー』

この方は僕の中ではミュージシャンとして、別格なんですね。

「え”〜っ、ギターってこんな弾き方あんの?」とか「なんでこんな音出んの?」って、まさに当時、圧倒的衝撃を受けました。

この3枚で、ジェフベックと競演してるキーボードの二人もものすごいんです。一人はヤンハマーって人で鍵盤のシンセをまさにギターライクに弾くお方。なんせベックと二人でお互いのフレーズをコピーしあってたそうですから。もう一人はマックスミドルトンという人で、ロック、ジャズ、ソウルを見事にブレンドしたスタイルのピアノはピカいちです。

 

ほんとにこの方々ときたら「オンリーワン」「唯一無二」の人達なんですよね〜。

模倣からオリジナル、自分自身のスタイルへ。そしてそれが聴く人の魂を直撃。実に実に大切な事なんだなぁって聴く度に思う私、深く首をうなだれる自分であります。

私としてはこのような方々こそを、真に『アーティスト』と呼びたいっ!!ウー、ガルル。
バウワウッ。ほい、おすわり、伏せっ!

ロック、クロスオーバー好きな皆様も、機会があれば是非御一聴のほどを。

さてさて、春の盛りに始まったこの連載も、先程申しましたように今回にて終わりと
なりました。こちらをちらちらと覗いて頂いた方々には、厚くお礼を申し上げます。
大変ありがとうございました。また皆々様方もお元気にお過ごし下さい。

 
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