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連載・つれづれ音楽生活・第二回

2008/6/1 
 みなさん、こんにちは。最近リハーサル続きで少々バテ気味の相澤です。
突然ですが・・・、私、老眼の度合いが、ものすごいスピードで進行しています。
7、8年前から発症(?)し、一昨年あたりから、ピアノ上の譜面が完璧にぼやけ
それを弾き間違いの言い訳にしたりしてました。(笑)
 
  相澤 公夫(あいざわきみお)

長年にわたり、日本の音楽シーンにおいて活躍。その演奏は、数多の歌手や音楽家が絶大な信頼を寄せる。これまでに携わった歌手やアーティストは、つのだ☆ひろ、杉山清貴、柳ジョージ、リンドバーグ、中村あゆみ、永井真理子、田原俊彦、江口洋介、鈴木雅之、永作博美、石嶺聡子、 CRAZE、石岡美紀、久宝留理子、大黒摩季、nana、松浦亜弥など多数。

 

昨年夏、30cm範囲内であればどこでも焦点が合う『近・近眼鏡』を作ったのですが、
また見づらくなってきて、どうも進んでいるみたいです。
昨日もコンサートのため、リハーサル(練習)スタジオで、眼鏡をかけて
譜面を書いていたところ、スタッフの方に「それって縮小コピーしてキーボードに
貼り付けるカンペ用楽譜ですね!」と言われたので、すかさず「いえ拡大コピーするのです。」・・・残念。

 

前回の耳の話同様、年を重ねるにつれ、肉体的衰えはいたしかたありませんね。
それとは逆に、年と共に「盛り上がって来ている部分」は無いものかと考えました。
無理矢理・・・くやしいので(笑)。
最近そのような意味で感じるのは、「演奏する楽しみ」みたいなものが、以前にも増して強くなってきている事です。元来、私自身はアンサンブル(合同演奏)、特にバンド形態での演奏が大好きでありまして、他の演奏家と一緒に音を出すことに、大いに魅力をじます。
 
思い起こせば、ポップミュージック演奏への入口は、中学1年生の時の『フォークギター弾き語り願望』からでした。きっかけは当時、母親が勤めていた近所の工場の寮に住んでいた、若い工員のお兄ちゃんでした。ある日、母が「彼がギターを弾いて歌を歌うらしいから、みんなで聴きに行こうよ」と言いだし、母と姉と私で6畳一間の彼の部屋に遊びに行ったところ、(音楽聴くのは家族で好きだったんですね。)その素敵なお兄ちゃんはギター片手に、ボブディランの『風に吹かれて』やP.P.Mの『パフ』等の歌を歌ってくれたんです。もちろんこのようなフォークソングを聴くのは初めてでした。

 

そしてそれらの演奏を間近で聴いた時の感動!!!そのお兄ちゃん、今思い返しても
相当な腕前だったと思います。英語の生歌、初めて見るフォークギターとその音色。
目の前で初めてのライブ体験。「キュツ」、「キュツ」のフレットノイズ音まで鳥肌物で中学生の坊主は完全ノックアウトされたのでした。

 

それからは、もちろんお決まりコース。このお兄ちゃんをスーパースターと崇め、親におねだりして買ってもらった、中古のクラシックギター(!?)&『明星』『平凡』付録の歌本(コード表付き)を友とする生活が始まりました。今にして思えばあれほどの感動は、時代の空気感と彼の歌が絶妙にマッチしていたからこそなのでしょう。『ベトナム戦争』『反戦』『安保問題』『よど号乗っ取り』『浅間山荘』等々の言葉に代表される時代の雰囲気を、中学生坊主の私でも感じていたのだと思います。 
たぶん今の時代に、それらの曲を中学生の私が体験したとしても、結果は???です。

 

そのような経緯で、まずはギターを手にした少年でしたが、悲しいかな・・・まるで才能がなく、一向に上達しませんでした。それでも音楽はやりたくて、3人組フォークグループを結成し、その中でピアノを弾く御役目も頂いた訳です。
(幼少のころ4.5年ほどピアノを習っていたので)
そしてついに中学二年の文化祭デビューです。このときです・・・それ以来、楽器演奏はもう、快感状態!! ギターよりもピアノ(こちらの方がまだマシに弾けたので)、1人より大勢、聴衆いればなお良し・・・と、こんな状況を未だに続けさせて頂いている次第です。(高校生時はお休み。ほかにもっと楽しい事が一杯あったので(笑))

 

冒頭に戻りまして、何故にやればやるほど、年を重ねるほど、楽器を演奏する事楽しくなるか・・・という事について。何事にもきっとそのような側面はあると思います。
スポーツにしろ、趣味にしろ。続ければ続ける程、次第に腕も上がり楽しくなります。
ここでは私の好きなアンサンブル演奏形態、特にバンド形態で考えてみました。
元来バンド演奏での重要な要素として、各演奏家の楽器間同士でのコミュニケーションとゆうものが挙げられます。特にポップミュージックの演奏においては、演奏家が自由に音を選べる度合いが強いため、(もちろん譜面どうりに演奏しなければいけない状況もありますが。)この自由に出来る音の部分を、あたかも言葉として、音で「会話」をしていく状況になっていきます。

 

例えば、どのような曲でもよいのですが、「バンドで1曲、さあ演奏してみましょう!!」というシチュエーションにおいて・・・

ベース氏がなんだか、かっこいいフレーズを歌の合間に入れてきました。

 

・ベース氏 「決まった!!どう? イイでしょ!!」

・ドラム氏 「おぅ、じゃおれ(あたし)もこういくよ」スタラカタカトン!!

・ギター氏 「ははん、いいね〜」ギュイーン

・キーボード氏「(うわの空)今日の晩飯なんにしよ(笑)」(リアクション無し)

 

というように、常に何かのコミュニケーションが交わされています。この会話の出来が演奏曲自体の出来の要素のひとつでもあります。
若かりし頃は自分のおしゃべりで精一杯。「オレが」「オレが」で人の言う事なんか聴いちゃいません。あるいは、聴くばっかりでうまくお返しできなかったり、聴く余裕が無かったり・・・。でも、年を重ねるにつれ、少しずつ相手の言いたい事をじっくり聴け、それを楽しめたり。自分自身の押し引き加減も調節できたり。
(あれ?気が付いたら、「そうなれたらいいな」願望になってる!!!)

 

何はともあれ、いくつになっても楽器を演奏する事は楽しい事だと思います。
押し入れにしまってあるギターをお持ちの方々、また、しばらくピアノの蓋をあけていない皆様方には、是非とも今宵、素敵な音を奏でられる事をお薦めいたします。
 
【オマケ】今回の原稿はリハーサルスタジオからお届けしました