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物件の選び方~その1

2017/5/16 

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200万円投資を実践する大家さん

 

物件の選び方~その1

 さていよいよ物件選びに入ります。まず今回は、エリアの選択です。
「200万」という予算上限をつけましたので、東京23区が難しくなるのは第1回目にも述べました。ではどこにすればよいのでしょうか?

 本論に入る前になぜ「東京」に拘るのでしょうか?考えられる理由は2点です。一つはオリンピック前で東京の土地が上げっているので、転売益が出やすいこと。もう一つはこれからの日本が、人口減少社会を迎える中で、東京は人口増加が見込まれている点です。
 なるほど。一つづつ分析していきましょう。
 確かに、オリンピックを前に東京の土地は値上がりしています。が、個人的には転売益目当ての投資はリスクが高すぎます。理由は幾つも考えられます。経済は生身のものですから、リーマンショックのように、国際経済の動きでは、未曾有の不況になることもあり

 また、日本は地震大国です。いつどこで、大きな地震が起きるかも分かりません。こうした天災は投資ムードに水をかける事態です。2016年に起きた熊本の地震も想定外でした。
 また第1回でも申し上げましたが、アベノミクスにより、土地の価格も上昇しています。もちろん、今後は必ず下がるとはいえませんが、このまま上昇し続けるとも思えません。
 従って、転売益を第一義に考える方は私から見るとそもそも不動産投資に向いていません。不動産投資は博打ではないのです。

 次に人口問題です。
 これは確かにいえます。「人口減少」=「空室リスク」の増加です。これは大家業にとっては避けてはとおれない課題です。需要のないところでビジネスをやる人はいません。
 しかし、では東京であればどこでも良いのでしょうか・・・。最近では東京であればどこでも良いという空気もあり、リスクの高いエリアに手を出されるかたもいらっしゃるようですが、これはたぶんに感覚的に物事を考えていらっしゃるのだと思います。

 投資ですから根拠は明確でないといけません。
 人口問題と向き合うには「国立社会保障・人口問題研究所」のデータを大いに活用すべきです。少し具体的に見ていきましょう。
まず、東京都中央区人口推移です。

2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年
122762138550141605143130143406142500140485

次に、福岡市の人口推移です。

2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年
146374149858151038150930149711147374143918

 お気づきでしょうか。東京都中央区も福岡市も2025年ごろまでは暫時、人口が増加していくのです。ここでも東京のみが人口が増加するというイメージが感覚的であることが分かります。

 次に「空室率」についても見てみましょう。
 空室率の全国平均は、公益社団法人全国賃貸住宅経営者連動会のデータによると、全国平均が22.7%です。東京都は19%ですから、「なんだ、全国平均より下だね。やっぱり東京」と思うかもしれません。
 ところが不動産投資サイト「ホームズ」によれば、東京都でも中央区の空室率は25%を超えます。中央区といえば、水天宮前とか日本橋界隈。東京は東京駅周辺や大手町には住宅用投資物件がありませんので、この界隈が「ザ・東京」とも言うべきエリアです。
 この辺りはかつて、町工場とかがたくさんあったのですが、バブル崩壊後や高齢により、事業承継が難しくなった零細企業の廃業になり、更地になった土地が今、投資物件のマンション等として再開発されたエリアの一つであり、供給が過剰とも言うべきエリアの一つです。
 しかもアベノミクスにより、土地の価格が上昇し、利回りは低下しています。
 このエリアは価格が高い上に空室率も高いエリアなのです。
 どうでしょうか。このエリアは「賃貸需要がありそう=どこも満室状態・・・」という感覚をこの様にデータを使って読んでみると、たぶんに感覚的であることが分かります。

では、次に人口が減少するエリアではどうでしょうか?
神奈川県横浜市

2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年
368877375093375051371378365067356689346683

こう見ると、2015年をピークに暫時減っていくことが分かります。2040年にはピーク時の92%になっています。神奈川県の空室率は21.6パーセントですから、入居率も大幅に下がるといわざるを得ません。
 少し先のことと思われるかも知れません。しかし、あなたが売り手になった場合、買い手もこのエリアの状況を見るかもしれません。
「今後は人口減少区域だな」と思われるエリアですと、買い手がつかなくなる可能性すらあるのです。
 もちろんこうしたエリアがすべてダメというわけではありません。
神奈川県横浜市都築区

2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年
201271217320227586235714242414247931252076

上記横浜市都築区は人口も引続き、増加が予想されている稀有なエリアの一つです。
もちろん、こうしたデータは今後、修正が予想されますので、「絶対」ではありません。しかし、感覚的なイメージだけで、投資エリアを決定することが意外な結論を呼ぶことがあることだけはこれを御覧の方には知っていただきたいと思います。

この方法は私が実践した方法ですが、必ず「成功」することをお約束するものではありません。それでは次回もどうぞ、宜しくお願いいたします。



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