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贈与税の時効について

2017/10/25 

こんにちは、相続税専門の税理士の橘です。

贈与税には時効があるのをご存知でしょうか?

その時効はずばり贈与が行われた年の翌年3月16日から7年間です。
贈与税の時効は、原則は6年間と決められていますが、意図的に贈与税を申告しなかった、つまり、脱税と認定された場合には時効は7年になります。

「生前贈与なんて黙っていればわからないじゃない」とよく言われますが、平成27年には、年間で3600件以上の贈与税の税務調査が行われています。そして、そのうち3350件も贈与税の申告漏れが摘発されているのです!

確かに7年間逃げきれれば時効になりますが、7年間ずっとびくびくしていなくちゃいけないわけです。税務署はある日突然、家にやってくることだってあるのです!

しかも、残念なことに7年間逃げきったと思っても、時効が成立しないケースが非常に多いのです。今回は贈与税の時効について解説しました。

【贈与税の時効の考え方について】

贈与税の時効は、贈与税の申告期限を起算日としてカウントが始まります。

贈与税は、贈与を受けたとしの翌年2月1日から3月15日までの間に、税務署へ贈与税の申告書を提出して、贈与税を納税してもらいます。※詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください

つまり、申告期限は、贈与を受けた年の翌年3月15日です。この次の日の3月16日から7年間の間に税務署が摘発できなければ、贈与税は時効となるのです。

例えば、平成22年中に贈与を受けたのであれば、贈与税の申告期限は平成23年3月15日。その次の日の平成23年3月16日を起算日として7年後の平成30年3月16日に贈与税の時効が成立することになります。

【何故、7年過ぎても時効が成立しないのか?】

贈与税の時効は、贈与があった年の翌年3月16日を起算日として7年間です。

それでは、例えば次のようなケースでは、贈与税の時効はどのように考えるべきでしょうか。

あるお父さんが、孫たちの通帳に110万ずつ生前贈与ということでお金を振り込みます。

しかし、その孫たちには生前贈与をしたことを伝えていません。しかも、その孫たちの通帳はお父さんが自分の金庫に保管をしていたとします。

この場合、お金を振り込んだ時から7年間で贈与税の時効が成立するかというと・・・・

成立しません!!何十年前に行われたものであっても追徴課税されます!!

理由はというと、先ほどのようなケースでは、そもそも生前贈与が行われていないと考えます。

いくら家族の預金通帳に自分のお金を移したとしても、実質的には名義を変えただけであって真実の所有者は変わっていないと認定された場合には、その生前贈与はなかったものとされます。

この、真実の所有者が変わったかどうかを判定するには、大きなポイントがあります。

それは、生前贈与をしたときに、あげた・もらったの約束ができていたかどうかです。贈与契約とは、あげる人ともらう人の、両者の認識が合致したときに初めて成立するのです。

孫に秘密で通帳に振り込むというのは、お父さんがあげた認識がありますが、孫はもらった認識がないので、これでは贈与は成立していないのです。

つまり、孫の通帳にお金があったとしても、それは実質的にはお父さんの財産であるため、お父さんが亡くなった時の、相続税の対象にされてしまうのです。

このような預金通帳の名義人と、実質的な所有者が異なる預金のことを名義預金といいます。

名義預金と認定された場合には、時効という考え方はありません。なぜなら、そもそも贈与は行われていなかったのですから、その当時の申告義務もなかったわけです。そうすると時効のカウントも始まりません。

贈与税の時効は、あくまでその当時、贈与が成立していたと認められる場合にだけ、カウントが始まるのです。

贈与税から意図的に逃げようとするのは脱税行為という犯罪です。もしご不安がある方は早めに専門家にご相談くださいませ!

■■■ 著者プロフィール ■■■

表参道相続専門税理士事務所
代表税理士橘 慶太

大学卒業後、23歳で税理士試験に合格。(この年25歳以下で税理士試験に合格したのは全国で70名) 大学在学中から、相続税案件実績日本一の税理士事務所、税理士法人山田&パートナーズに正社員として入社。丸6年間、相続税専門の税理士として業務に従事。これまで手掛けた相続税申告は、一部上場企業の創業家や芸能人を含め通算150件以上。また、日本全国の銀行や証券会社で相続税セミナーや研修の講師を年間133回行う。
平成29年1月に、完全相続税専門の税理士事務所、表参道相続専門税理士事務所を設立する。

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