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シニアが読み解くエネルギー・環境問題(11)太陽光発電はどこまで安くなる?

2012/6/8 

太陽光発電

太陽光発電はどこまで安くなる?

最近、私たちの周りでも、太陽光発電パネルを取り付けた家を多く見かけるようになりました。システムの価格低下が大きな要因ですが、それに加えて国の支援制度を見逃せません。一つは、太陽光発電システム補助金制度。もう一つは、余剰電力買取制度の実施です。今年7月1日から、太陽光発電だけでなく、風力発電、バイオマス発電など、再生可能エネルギーによる電力について、全量買取制度がスタートしますが、太陽光発電については、2009年から実施されている余剰電力買取制度が、そのまま引き継がれます。
太陽光発電|損得
太陽光発電システムの価格はこの先、どこまで下がるのでしょうか。国の補助金制度を利用すると、どのくらいの予算で太陽光発電システムを取り付けることができるのでしょうか。

太陽光発電システムの将来の価格については、国のエネルギー・環境会議のコスト等検証委員会がいくつかのシナリオを想定しています。シナリオの前提としては、国の政策による太陽光発電システムの普及をあげています。システムが普及すれば、量産効果によって価格低下が促されるからです。前提となる政策については、現行政策の維持、近年の導入拡大傾向、強力なバックアップ政策の3通りが想定されています。このうち、最も価格低下が期待されるのは、当然のことながら、強力なバックアップ政策がとられた場合です。
太陽光発電
太陽光発電システムの現在の価格は、2010年度で1kW当たり48万円~55万円となっています。強力なバックアップ政策を前提としたシナリオでは、このシステム価格は、2020年には1kWあたり23万円~27万円と約50%の低下となります。さらに2030年には19万円~22万円と約60%の低下となります。

太陽光発電システム価格が1kWあたり20万円を切る水準にまで安くなるというわけです。標準家庭(4人家族)の太陽光発電システムは3.5kWが一般的といわれるので、1基あたり約70万円の導入費用となります。

太陽光発電のシステム価格は、20年前までは1kWあたり300万円~400万円台といわれていました。それが1997、98年頃には1kW100万円が通り相場となり、その後、政府の積極的な政策支援によって、太陽光発電システムの導入量が拡大し、それに伴い価格低下が促進されたのです。
太陽光発電|損得
政府の支援策の一つである補助金制度は、2009年からスタートし、毎年度、補助額が決まります。2012年度は1kW当たり3万~3.5万円となっています。3.5万円の補助金を受けられるのは1kW当たり47.5万円以下のシステムが対象です。仮に3kWシステムを購入すると、導入費用は142万5000円となります。

国の補助金のみの利用では補助額は10万5000円となり、自己負担分は132万円となります。補助金は、国だけでなく、地方自治体でも実施しており、都道府県や市町村の制度を合わせて実施することが可能です。仮に東京・新宿区にお住まいだと、東京都と新宿区の補助金各30万円を利用することができるので、国と合わせて70万5000円が補助されることになります。自己負担分は72万円ですむ計算です。約半分の負担ですむことになるのです。
ソーラー発電
余剰電力買取制度は、家庭で消費した余りの電力を電力会社に買い取ってもらう制度で、2012年度の買取価格は1kWh当たり42円と決まりました。したがって、家庭で使う電力を出来るだけ節約し、太陽光発電電力を多く電力会社に買い取ってもらえばそれだけ収入が増え、初期購入費用を早く回収できることになります。試算では、余剰電力買取制度によって、10年~15年で元を取れるといわれています。以前は、太陽光発電システム価格が高く、元を取るのに20年~30年かかるといわれていました。それが、急速に縮まり、一般のご家庭でも、購入のメリットが大きくなったといえます。

シニアが読み解くエネルギー・環境問題

(1)脱原発は可能か / (2)スマートコミュニティづくりを急げ /
 
(3)日本は資源大国になれるか / (4)原発輸出は是か非か /
 
(5)相次ぐ電力各社のメガソーラー事業 / (6)河川水や都市排熱の有効活用を
 
(7)エネルギー選択に重要な発電コスト / (8)“水素社会”が到来する? /
 
(9)下水汚泥が都市ガスに変身? / (10)原子力に代わる天然ガス? /

(11)太陽光発電はどこまで安くなる? / (12)動き出した暮らしのエネルギー革命

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