定年退職後に継続して会社に残るのはメリット?デメリット? 経験者の生の声をお届けします。
2018/9/262012年に、厚生年金の支給開始年齢引き上げで年金の受給開始が65歳となることに合わせ、60歳定年の会社に勤めている人も65歳まで同じ会社で働き続けられるよう新しい法改正が行われました。所謂、「改正高年齢者雇用安定法」により、定年年齢の引き上げ、定年制の廃止、継続雇用制度の導入のいずれかを事業主に課すことになりました。
定年退職の時期を迎えて、このまま定年退職するか、継続雇用制度を活用して、会社に残るかの選択で悩まれる方が多いようです。現実には、継続雇用制度を利用しても給与は下がるなどのケースも多いようです。定年生活読者の方でもそのような葛藤を抱えていらっしゃる方が多いです。ここでは実際の生の声をお聞かせいただくことにしましょう。
退職後、派遣扱いで会社に残る
この3月で正社員を退職したばかりの61歳です。覚悟していたとはいえ、やっぱり寂しいものがあります。
地方の小売りチェーンに40年勤めていました。
ずっと現場にいて、店長まで務めましたが、6年前に店長を離れ、管理職、いわゆるデスクワークになったことから、ああ、もうこの会社にも長くないな、俺もそろそろ定年が近いな、ということが数年前からしみじみとわかってきていました。そこでいざ定年となったのですが、会社のお情けというのか、1年間は派遣扱いで居残ることになりました。
会社で花束なんかもらったんですけど、その次の週から同じデスクに同じようにやってきて、同じ数字をにらんでいるわけです。実は1年間の延長はとてもありがたかったのです。
息子がまだ地方の大学生で、あと2年は仕送りをしなければならないので、定年になっても別の仕事を見つけなければならないところでした。
ゼロから新しい仕事をするよりも、慣れた仕事の方がいいのは当然です。ただ、ちょっときついことがあります・・・。
金銭面は比較的楽です
収入は 約40万円
・給与 15万円
・退職金(年金払) 25万円支出は 約36万円
・食費 4万円8千円
・水道光熱費 1万6千円
・住宅費 6万8千円(住宅ローンなど)
・車代 5万9千円(クルマのローン、駐車場代など)
・遊興費 5万円
・子供への仕送り 10万円
・その他 2万円給料は格段に下がりました。これは当然です。
派遣ですから、月の収入は15万円くらいです。もっとも、わずかですがボーナスも出るそうですし、有休もあります。そういう点ではとてもありがたく、退職するときに退職金は年金払いにしてもらいました。
だから月に25万円くらい入ってくるので、合計で約40万ですから、長男への仕送りと合わせて夫婦二人であれば、そこそこ食べていけます。支出はだいたい36万円です。
1年限りの派遣扱いですから、来年にはまた仕事を探さなければならないのですが、住宅ローンもほとんど終わっていますし、長男も卒業が近いので、負担も減ると思っています。薄皮一枚の距離
実は、きついのは収入面のことではありません。
会社の居心地がすごく悪いのです。当然といえば当然なのですが、もはや私は社員ではないわけで、同じ管理部の社員たちの扱いが変わってきたのです。
定年になる前は次長格で、この部屋の社員はだいたいが部下だったわけです。
でも、定年になって派遣社員扱いになれば、彼らの感覚では、私はお客様的な扱いにならざるを得ません。表面的にはその前となんら変わらなかったのですが、私と彼らの間には薄皮一枚の距離ができていたのですね。
部外者扱いが寂しい
以前は飲みに行こうか、などと気軽に誘ってたのも、できなくなりました。
あんたはもう部外者なんだから、さっさと帰りなさいよ、という「暗黙の」視線が浴びせられるわけです。たまに誘われますが、いや、今日は用事があるから、などと断る自分がいて、しかも断ることを期待している部下の表情を見てしまう。
上司だった部長や役員の人とも、現役だったころはよくゴルフに誘われたんですが、定年過ぎるとまったくなし。
別に恨みに思うわけではなく、それも当然ですし、会社側の人間にとってはそれがけじめなんでしょうけど、寂しいことは変わりはありません。
これが定年だという現実だということですが、1年間の猶予をいただいた会社にはありがたいと思っています。
定年退職後に起業をする方も増えています。スタートアップにはコストの少ないレンタルオフィスはいかがでしょうか?(初稿:2013/04/24)
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