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認知症になると…これだけは確かに言える!

2015/6/11 

認知症を患うことへの不安は、本人にとっても家族にとっても大きなものです。
ただし、その不安には、認知症への若干の誤解に基づくものがあると言って良いのかもしれません。

「認知症に罹ったら自分ではなくなる!」

といった誤解が広まっているようです。
認知症に罹っても、その人はその人です。
認知症に罹っても尊厳ある生き方はできます。
認知症を患っても心は生きているのです。

【気をつけよう!廃用症候群】

認知症に罹ると、さまざまなことができなくなっていきます。

買い物に行っても、釣銭を正しく渡すことができない。
小銭を適切に使うことができず、いつしかお財布の中に小銭が溜まってしまう。
冷蔵庫の管理ができない。
料理の献立が立てられない。
得意料理を失敗する。
季節に合った服を選ぶことができない。
電話を受けて家族に取り次ごうとして、今聞いたばかりの相手の名前を思い出すことができない。

増えていく「できない」。

認知症に罹った本人は、

「なぜ?」
「こんなはずではないのに!」

と、自分への苛立ちと焦りを強めます。
意外に思った家族が「どうしたの!?」 とでも言おうものなら、苛立ちと焦りが怒りとなって噴き出します。
認知症の初期には、怒りっぽくなる人が多いと言われています。

怒りをぶつけた後、本人は煩悶します。

「私はどうなってしまったのだろう?
こんなこと、今まで無かったのに・・・」

自信を失い、それまでしてきたことをしなくなったり、関心を失ったりします。

認知症は、脳の病気です。
脳は使わないと、退化します。
病気に罹った脳は、通常の老化よりも早く退化します。
活動の機会を少なくすればするほど、脳は退化します。
使わないことによって生じる機能の退化。
「廃用症候群」です。
認知症に罹った人に対しては、脳の廃用症候群に注意する必要があります。

【認知症には中核症状と周辺症状がある】

認知症に対する誤解は、認知症の中核症状と周辺症状を混同していることが原因と思われることが少なくありません。

中核症状は、主となる症状です。

認知症に罹ったら誰もが発症する症状です。
周辺症状は、中核症状から引き起こされる症状ですが、周囲の関わり方によって、現れることもあれば現れずに済むこともあります。
しばしば介護者を困らせる周辺症状は、周囲の人の接し方によって、現れ方を変えることができるものです。

誰もが発症する中核症状のうち、中心となるのは、記憶障害です。

認知症の場合の記憶障害の特徴は、体験したことの全体を忘れるということです。
誰しも忘れることはあります。

たとえば、2日前の夕食に何を食べたかを正確に思い出せるでしょうか?

思い出せるおかずもあれば、思い出せないおかずもあるでしょう。
しかし、夕食を摂ったということは覚えているはずです。
認知症に罹ると、夕食を摂ったこと自体を忘れます。

しかも、記憶が曖昧になる期間が、数日前のことから、ついさっきのことになっていきます。

2日前のことはおろか、食べ終えて片づけが済んだところで

「ご飯をまだ食べていない!」

と訴えるようになります。
認知症の症状として多いものです。
食べたこと自体を忘れ、

「食べていない!」

と訴えます。

このような時に「さっき食べたでしょ!忘れたんですか!?」 というのは厳禁です。
本人は、自尊心を傷つけられて、激しく興奮します。

「今、用意していますから、ちょっと待ってくださいね。」

と言って、軽いお菓子でも出すと良いでしょう。
実際に作る必要はありません。
しばらくすると、「食べていない!」 と言ったことを忘れています。

【気持ちに向き合うことで周辺症状は軽減される】

認知症の周辺症状は、しばしば介護者を悩ませます。
介護者が困る最初の周辺症状は、

「物盗られ妄想」

でしょう。

「財布が無い!盗られた!」

というのは、認知症の症状がある程度進んだ時に多くの患者が訴えることです。

困ったことに「盗った」 人間の多くは、家族にされてしまいます。

「嫁が私のいない時に盗った!」

という具合です。

直接言わないで、近所の人に言うこともあります。
ご近所の噂話を耳にして嘆いたり怒ったりするお嫁さんは少なくありません。

直接「盗られた!」 と訴えられた時には、

「そんなことはないでしょう。どこかに置き忘れてしまったんじゃありません?」

などと言ってはいけません。

本人にとって大切なのは、財布が見つからないという現実です。
その現実に自分なりに納得の行く解釈を下した結果が「盗られた!」 という訴えなのです。

財布が見つからなくて困っているという気持ちに向き合いましょう。
一緒に探すことが大切です。
行動を共にすることで、

「この人は自分の味方だ」

という安心感が芽生えます。

見つかったら、「良かったですね。」 と一緒に喜んでください。
そのような対応が物盗られ妄想を軽減します。