相続連続小説「あいつづく」 【第11話】
2016/11/16相続連続小説「あいつづく」
夏子ヘミング【第11話】
新しく相続人に加わった鎌田義信が着席するのを見届けると、光男が意を決したように大きく咳払いをして、話し始めた。「実は、祖師谷の家を売却してここにいる全員で分けたいと思っているんだ………」
ずっと実家を売らないと主張してきた光男の突然の翻意に達郎も美津子も驚きを隠せない。背景に、光男の妻孝子が実家を出てアパート暮らしを始めてから病状が改善していること、孝子の統合失調症の治療のためにも郊外に引っ越したいことを説明した。達郎、美津子も困惑気味に同意した。いくら望んでいたこととはいえ、二人にとっても生まれ育った実家が他人の手に渡る、ということは重たい決断である。
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