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民事信託の活用法(まとめ)

2016/12/1 

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民事信託の活用法について12回にわたって説明をしてきましたが、今回が最終回です。成年後見制度の問題点から始まり、後見制度の問題点を解消する手段の一つとして民事信託が有用であることをお伝えしてきました。

成年後見制度は全国で毎年3万件以上の新たな利用者があり、累計で約14万件にも上っています。
その数は年々増えています。
今後高齢化が進む中、政府による成年後見制度の利用促進が行われる予定です。
本人の財産が守られる仕組みという点では、もっともっと広がってもいいと思います。
なぜなら、高齢者を狙った詐欺等は後を絶たないため、そのような悪質な集団から高齢者を守る必要性は大いにあるからです。
個人的に私の祖母も消費者被害を受けたうちの1人なので、財産防衛が必要なのは身に染みて分かっています。

半面、個人の財産を守るという制度である以上、「家族の財産」を維持するという趣旨はこの法律にはありません。
そのため、「家族の財産」として行う、いわゆる相続税対策は取りにくい制度であることは間違いありません。

「家族の財産」を安全に財産管理しつつ税金のケアもでき、次世代に承継していける民事信託は、今後の可能性が大いにあると考えています。
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また、民事信託の思わぬ効用がもう一つあります。
それは「親子の対話がしっかり行えるようになること」です。
民事信託は遺言書と違って一方的な意思表示ではなく、家族間で財産承継方法を話し合うことになります。
その過程で、今までの家族の歴史を振り返ったり、孫世代にどのように引き継がせるかなどの未来の話をしたりする機会が増えます。
それを専門家が介して行うため、財産の整理がしやすくなります。
結果、親子間の関係が良好になり、引き継ぎがスムーズになります。
実際民事信託を利用して、父と息子の確執がなくなり財産の承継がスムーズに進んだケースは多くあります。
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もしかしたらこの点が、民事信託を使うことの最大のメリットかもしれません。

親から見ると子どもは50代60代になっていても、いつまでも子どもであって、逆に子どもは親よりも自分がしっかりしていると思っている。
このジェネレーションギャップは意外と多いものです。

「相続」という漢字は「あいつづく」とも読めます。相続が「争続」にならずに、「愛」が「続く」関係性を築くきっかけになればいいなと思っています。
そのためにも我々専門家の自覚と責任が必要であると感じています。

 

 
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