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知って得する認知症の対応法とは

2017/4/3 

 明るい介護のアドバイザー倉澤篤史の、「介護の心得」これさえ知っていれば安心。
私が実際に体験したケースから、認知症の間違ったイメージと、そうなる理由をお伝えした前回。今回は、知って得する対応の基本です。

【NGワードを知る】

ダメ!!
なんで出来ないの!!
ちゃんとやって!!
 読者の皆さんは、誰かに、自身を否定するようなキツイ言葉を言われたとき、どう思いますか?
 誰しもが、怒られたり、キツイ一言を言われたりするのは嫌だと思います。

 それは、認知症の方たちも同じです。認知症でも感情を司る脳の機能は働いています。「良い・悪い」を感情で判断し、体験として覚えています。
 したがって、ネガティブな感情は拒否反応などを引き起こします。そのため、否定的な言葉はNGなのです。

(※登場人物は認知症の方ではありません)

【その先の介護生活が変わる2つのポイント】

 そうは言っても、否定的な言葉が出てしまうよ…
 家族であれば、それは当然です。これまでの本人を誰よりも知っている家族だからこそ、受け入れきれず、認められない、それは自然なこと。
ですが、「嫌な人」「これはキライ」などと、一度ついたネガティブなイメージを書き換えるのは、並大抵ではありません。その先の介護を考えて、少しずつ言葉の訓練をしていきましょう。
 NGワードを言わないためにも
 介護する側も、される側も、ストレスをためないためことが重要です。
 そこで大事になるのが…
1、 「真正面からぶつからない」
双方のストレスにつながります
2、 「適度な距離感」
双方の「生活」と「心」の距離感に〝ゆとり〟が必要です
 この2つのポイントです。これを意識し、実践してみてください。
「それでも難しい」「認知症の介護で、すでに家族が嫌われていると感じる」といった人たちは、ぜひ、介護制度を活用したり、専門職に相談してみてください。
自身の介護の仕方や対応する人を変えるなどの工夫で、良いイメージにすり替えていくこともできるはずです。
 

【疑う勇気を持つ】

 特にNGワードに気をつけなければならないのは、もしかして認知症かな?というくらいの初期段階です。
 この段階は、忘れっぽくなったり、本人も自分なりに不安やストレスを感じている時期です。
普段を知る家族側も、いつもと違うと感じ、戸惑いが出るタイミングです。
 ここでNGワードを使い続けると、知らないうちに症状が進んでしまう危険性が高まります。
 それはなぜか。
 小さい子どもが、怒られまいと、したことをバレないようにするのと同じ――
 そう、隠すのです。

 そうなると、気づくのが遅れ、わかったときにはすでに…というケースを多く見てきました。認知症でも一番多いとされるアルツハイマー型は、現在、薬で進行を遅らせることもできます。早期発見は非常に重要なのです。

 「何か違う」という違和感は、家族だからこそわかるもの。
 「うちの人に限って」「きっと違う」「だとしたら恥ずかしい」そんな気持ちにふたをして、「認知症かもしれない」――その【疑う勇気】で、その後の生活はきっと変わります。

次回は、医療と介護の基本的な違いを知ることによって対応の仕方も…、明るい介護は、あっ軽い介護。

■■■ 著者プロフィール ■■■
倉澤篤史

介護生活との向き合い方、心の処方箋
明るい介護のアドバイザー 倉澤 篤史

【プロフィール 内容】
明るい介護のアドバイザー。
大手不動産建築会社で寺院再開発計画を任され、車いすでも気軽に訪問できるバリアフリー寺院を計画。その後、高齢者向けのボランティアに参加したことがきっかけで、介護業界に転身。
持ち前のバイタリティとサービス精神で、年間3000時間を超える在宅ヘルパー業務に加え、のちにケアマネージャーとしても手腕を発揮。

2000年に訪問介護事業で起業。国が推進する介護保険制度では、自分らしい日常生活を送ることが困難であることに疑問を感じ、「死ぬまで自宅で生活する方法」を考案、確立。
認知症でも楽しくできる体操メニューを考案するなど、困難事例と言われる複雑なケースを幾多も解決している。
なかでも「認知症は怖くない!」というメッセージには、介護者の家族だけでなく、働き盛りのビジネスパーソンも共感を寄せている。

近年は、「介護離職をしない、させない、つくらない!」「介護には終わりがある」「つらい苦しい介護と明るい介護」といったテーマで企業研修や講演活動も積極的に行い、社会問題の解決にも注力している。

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