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「医療」と「介護」の違いを知る

2017/5/1 

 明るい介護のアドバイザー・倉澤篤史の、「介護の心得」これさえ知っていれば安心。
今回のテーマは、「医療」と「介護」の違いです。認知症状の対応も、まずは基本的な「医療」と「介護」の違いおさえることが重要です。明るい介護につがる第一歩になるかもしれません。

【生命の「医療」と、生活の「介護」】

皆さんは、医療と介護と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか?

医療とは、医術や医薬を用い、病気やケガを治すこと。
介護とは、日常生活を円滑に過ごせるようにサポートすること。
そして、呼び方が違います。
医療は患者さんであり介護はご利用者さんと言います。

つまり、患者さんやご利用者さんを支えるという意味では、密接に関連や連携していますが、根本的に考え方が違うのです。

【病院と同じでなくて大丈夫】

介護生活は、ある日突然やってくることがほとんど。

「この状態で、家に帰れるのですか?」
これは、退院が決まったご利用者さんやご家族のほとんどの方が言うセリフです。

緊急搬送された病院で、治療のため、酸素吸入したり、体中に管が通ったり…
そのインパクトは絶大です。
色々と看(み)てくれる看護師さんは、引っ切り無しに病室を訪れます。

その結果、「家に帰っても、病院と同じにやらなきゃダメなんじゃないか…」
そういうイメージが、頭を埋め尽くします。

そこで出るのが、先程のセリフ。
親が一人暮らし、高齢の両親のみ等々のご家族からすれば、当然のセリフです。

そもそも病院と同じ様に、「みる」ことは無理です。むしろ、同じでなくてもいいのです。

医療は生命や身体機能を維持・治すことがメインのお仕事です。
医療的処置が必要な患者さんを、自宅に戻り生活ができない状態では退院させません。
通院や通いでのリハビリで大丈夫と判断したら退院へと促します。
お医者さんだって人の子ですから(笑)

【自分らしい生活スタイル】

一方の介護は、日常生活のサポートがメインとなります。
もともとのご利用者さんの生活スタイルに近づけるため、『できる部分、できない部分』を見極めながら「自分らしく生きて欲しい」という想いでサポートをします。
「どのような状態であっても生活できる」手助けするのが介護のお仕事です。

日本の医療・介護保険制度は、本当に良くできています。
マイナスばかりではありません。
この素晴らしい制度を末永く利用し活用したいものです。

そこで、自分にとって正しく使って頂き
最高のスパイスを振りかけるのです。
ご本人の気持ちや意志が大切になります。
「どういう生活が送りたいのか」「どこでどう最期を迎えたいのか」等々
意志を明確にしておくことが重要です。

――すると、不安はきっと明るい未来に変わります。

最後になりますが、「医療」と「介護」の違いを知ることで
社会保障制度を自分の味方につける
そして、認知症対応の違いを知るきっかけになって頂ければ倖いです。

次回は、ほんのちょっとの生活習慣で…、明るい介護は、あっ軽い介護。

■■■ 著者プロフィール ■■■
倉澤篤史

介護生活との向き合い方、心の処方箋
明るい介護のアドバイザー 倉澤 篤史

【プロフィール 内容】
明るい介護のアドバイザー。
大手不動産建築会社で寺院再開発計画を任され、車いすでも気軽に訪問できるバリアフリー寺院を計画。その後、高齢者向けのボランティアに参加したことがきっかけで、介護業界に転身。
持ち前のバイタリティとサービス精神で、年間3000時間を超える在宅ヘルパー業務に加え、のちにケアマネージャーとしても手腕を発揮。

2000年に訪問介護事業で起業。国が推進する介護保険制度では、自分らしい日常生活を送ることが困難であることに疑問を感じ、「死ぬまで自宅で生活する方法」を考案、確立。
認知症でも楽しくできる体操メニューを考案するなど、困難事例と言われる複雑なケースを幾多も解決している。
なかでも「認知症は怖くない!」というメッセージには、介護者の家族だけでなく、働き盛りのビジネスパーソンも共感を寄せている。

近年は、「介護離職をしない、させない、つくらない!」「介護には終わりがある」「つらい苦しい介護と明るい介護」といったテーマで企業研修や講演活動も積極的に行い、社会問題の解決にも注力している。

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