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内閣府による高齢者の暮らし~経済や生活環境に関する意識を分析してみました

2017/8/26 

 平成28年 内閣府による「高齢者の経済・生活環境に関する調査」が発表された。調査地域は熊本県と大分県を除く全国の60歳以上の男女個人。有効回収数は1976人。
調査期間は平成28年6月4日~6月26日。

1 経済的な暮らし向きについては心配ないと考える人が6割を超える

 経済的な暮らし向きについては「心配ない」(注1)と回答する人が64.6%、「心配である」(注2)との回答が34.8%となっている。「心配である」の割合が特に高いグループとしては男性単身世帯(48.4%)、女性の二世帯世代(親と同居)が48.1%が挙げられる。ここでは60代の女性がご自身の親を介護しなければならないという老老介護に対する経済的な不安感が如実に示されているといえるだろう(図1参照)。
(注1)「心配ない」とは「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」と「家計にあまりゆとりはないが、それほど、心配なく暮らしていける」の計。
(注2)「心配である」は、「家計にあまりゆとりがなく、多少、心配である」と「家計が非常に苦しく、非常に心配である」の合計。

【図1 経済的な暮らし向き】

2 1ヶ月あたりの平均収入(年金を含む)は、「10万以上20万未満」の世帯が最多

 1ヶ月あたりの平均収入額(年金を含む)では、「10万円以上20万円未満」が32.9%と最も多い。年収にすると120万円以上240万円以下となる。以下、「20万円以上30万円以下」(26.4%)、「5万円以上10万円未満」(15.2%)と続く(図2参照)が、単身世帯の場合、10万未満が男女とも4割近くになる。特に男性の場合には10万円未満の割合が最も高い(図3参照)。

【図2 1ヶ月あたりの平均収入額(年金を含む)】


【図3 単身男性女性の1ヶ月あたりの平均収入額(年金を含む)】

3 貯蓄については直ぐに使わないが5割。単身男性の半数近くが貯蓄がない。

 貯蓄の目的については、「万一の備えのため」が47.5%、と「子供や家族に残すため」が2.6%と、すぐには使わないという目的が半数以上になっている。
 一方で、「貯蓄がない」が22.7%、単身男性世帯に限っていえば、46.2%にものぼる(図4参照)。
 この点、世帯を持つ男性のなると「貯蓄がない」という割合は大きく減る。ここに、世帯あり男性と単身男性との「格差」を垣間見ることが出来る。

【図4 貯蓄の目的】

まとめ

 1ヶ月あたりの平均収入額が10万円未満の割合は男性・女性共に、単身生態では約4割であったが、男性の場合、経済的な暮らし向きが「心配である」とする割合が48.4%、と女性(40.3%)と比べて高い。そこで、貯蓄についてみてみると、男性単身で「貯蓄がない」との回答が46.2%と半数近くにのぼるのに対し、女性単身は30.8%と格段に下がる。
 また、男性単身は賃宅住宅に住む比率が41.8%と極めて高い。女性は22.9%であり、そもそも持ち家率の方が高い(図5参照)。
 ここでも単身男性と単身女性とのストック面での「格差」を見ることが出来る。単身男性は単身女性との「格差」と世帯あり男性との「格差」という二重の格差のなかで多くの不安を感じている実態がうかがえる。

【図5 住宅の種類】

【参考文献】
内閣府調査高齢者の暮らしに関する意識調査
(引用:図1-3-1, 図1-3-2, 図1-3-3, 図1-3-4, 図1-3-8)

【文責】
定年生活事務局