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中高年の引きこもりは61万人!若者より多い人数で、その4分の3は男性。さらに若者より深刻な問題も。

2019/3/31 

2019年3月29日に内閣府が発表した数字が衝撃を与えている。中高年の引きこもりが61万3000人という。
https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf/kekka_gaiyo.pdf

 ここでいう引きこもりとは満40歳~満64歳を対象にした引きこもり調査。今回の調査では「自室からほとんど出ない」など4つの問いを設定。そのうちいずれかに該当し、かつ6カ月以上その状態が続いているケースを広い意味での引きこもりと定義した。

 ちなみに15歳から39歳を対象とした内閣府の調査(2015年)での推計約54万人なので、中高年の引きこもりが若者を超える実態が浮き彫りになった。

今回の内閣府の発表によると、年齢の内訳は、40代が38%、50代が36%、60代が26%。ひきこもりになった年齢が39歳以下の人は4割程度で、6割は40歳以上だった。期間は「7年以上」が47%と半数近くを占めた。

 きっかけは「退職」が最多で「人間関係がうまくいかなかった」「病気」が続く。

深刻化する80・50問題
 ここでいう「80・50問題」とは引きこもりが50代でその親が80代。その親ン遠近の一部を小遣い代わりにもらってなんとか生活している方々である。

 若者がひきこもり状態となったとき、外部の人間がその状態を把握する術はほとんどないが、保護者との接点によって若者の存在と所在を知り得ることができる。つまり、当事者との出会いのきっかけを作るために、保護者との接点に注力するのも一案であると理解できる。
しかし、50代、60代の場合、保護者と同居していたり、保護者が当事者の状態を認知していればいいが、そうでなければ保護者を当事者との出会いの手掛かりにすることが難しい。特に配偶者や子どもがいない場合、そもそも誰を通じて当事者と出会うことができるのか想像がつかない。
当事者が自ら社会とつながることや相談窓口の活用を望まない場合、そもそもその存在を認知すること自体が非常に難しいと思われる。
ここに若者とは全く異なる中高年の引きこもりの社会認識の問題がある。

ネットやゲームはやらない…
引きこもりをしているとドラマなどで想像される携帯電話やゲームの使用。これについても携帯電話、メール、SNSへの書き込み、ウェブサイトの閲覧のいずれも引きこもりの方の利用は低いことが分かった。
彼らの多くはラジオを聴くことが多い様である。ここでも従来のイメージを変える必要がありそうだ。

政府は支援をするというが…
菅官房長官も支援をすると表明し、根本厚生労働大臣も「新しい社会問題」と表現した。しかしその支援の「ゴール先」を考える必要がある。
若者のケースの場合、学校などの教育機関、職業訓練、就職に設定されることが多く、仕様書も支援方針もそこに向かって設計される。
しかし上述したように引きこもりの原因が「退職」の場合、その退職の原因はさまざまであるし、例えば、パワハラなどの結果、自尊心が傷つき→退職→引きこもりというスパイラㇽに陥っている場合では、彼らの次の目標はどこに設定されるべきであろうか?
目標がない政策目標は絵に描いた餅でしかないのである。

引きこもりの4分の3は、男性
過去の調査で除外していた専業主婦らも、生活状況によってはひきこもりと認定した。性別では4分の3が男性だった。
彼らの多くは年金等も納めていないので、低年金者に陥るケースも少なくないであろう。その場合、生活保護に頼るケースも少なくなく、だれが彼らを支えるのか?という問題が今後、喫緊の課題となることも予想される。

(文責:定年生活事務局)



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