ポストシーズンの季節 史上最大の下克上は何時、何のスポーツで起きたかをご存知ですか?
2019/10/122019年のプロ野球のレギュラーシーズンが終わり、当該年度の上位チームによるポストシーズンゲーム(プレーオフまたはクライマックスシリーズ)が始まりました。最近では「下剋上」という言葉がもてはやされるようになりました。優勝チームがプレーオフで、2位チームや3位チームに敗れる、或いは2位チームが3位チームで敗れることを「下剋上」と言いますが、この場合、1位チームが3位チームに敗れた場合、「史上最大の下克上」などと表現されるようです。今年も阪神タイガースが横浜ベイスターズに勝ったことから、下剋上が話題になりました。
特に2010年の千葉ロッテはシーズン3位ながら、2位の西武、1位のソフトバンクを倒して、日本シリーズへ。さらにはセ・リーグ優勝の中日を4勝2敗1分けで倒し、3位からの日本一になり、「史上最大の下克上」と言われました。
もともと、このようなリーグの上位3球団によるプレーオフ制度は、2004年にパ・リーグで始まりました。当時は、パ・リーグのみであったため、このプレーオフで勝利したチームが「リーグ優勝」となっていましたが、下剋上は2度起きました。
1度目は、2004年の福岡ダイエー(現・ソフトバンク)です。リーグは77勝52敗で1位だったのですが、2位の西武に2勝3敗と敗北。
2度目も同じく、2005年の福岡ソフトバンク。レギュラーシーズンでは89勝を挙げたソフトバンクでしたが、84勝の2位ロッテに2勝3敗と敗北。2006年からは1位のチームにアドバンテージを付けることになりました。
2007年からはセントラルリーグでも同じくポストシーズンゲームをすることになり、現状の制度につながっています。それ以前にもプレーオフがあり、下剋上はあった…
実はプロ野球では、それ以前にもプレーオフがあったのです。1973年から導入された前期・後期の2シーズン制と優勝チームによる5試合制のプレーオフです。このプレーオフで先に3勝したチームがリーグ優勝となりました。これは当時の近鉄・佐伯勇オーナーの「お祭りは2度あったほうが良い」という意見のもと、巨人の9連覇の陰で人気低迷していたパ・リーグの人気復興のために導入されました。
が、導入時から反対論が起きました。その大部分が「前期優勝したチームは後期に手を抜く。」とか、「前期2位で後期も2位のチームで130試合トータルだと1位のチームがプレーオフに出られなくなる可能性があるのはおかしい」というものでした。
シーズン130試合を半分づつに分けますから65試合づつで行われます。引き分けなどもあるので、35勝ぐらいをすれば半期の優勝ができる計算です。
仮に40勝20敗5引き分けで優勝できたと仮定します。後期は0勝65敗になると、なんと、40勝85敗5引き分け、勝率3割2分でもプレーオフで3つ、勝てば、日本シリーズに出られる計算になります。こんなチームは、今でもこんな成績、堂々の最下位ですね。「そんなことは机上の空論だよ」とパ・リーグ事務局は一笑にふしますが早速に初年度から波乱が起きます。
1973年からスタートしたこの制度、前期は野村克也選手兼任監督が率いる南海ホークスが38勝26敗1分で優勝。ところが、時代は阪急ブレーブスの全盛期。後期は本領を発揮し、43勝19敗3分と独走。南海は阪急に後期は1勝もできず、12敗1分け。「死んだふり」と揶揄されました。
そして始まったプレーオフは南海が阪急を3勝2敗で下し、見事にリーグ優勝。シーズントータルでは阪急が77勝48敗5分け、南海は68勝58敗4分けで、なんと9.5ゲーム差の3位からの優勝ということになったのです。今でいう、「史上最大の下克上」ですね。
このプレーオフで敗れた阪急・西本幸雄監督は辞任するという事態にまでなりました。史上最大の下克上には上があった・・・
もともと現行のプロ野球のプレーオフはアイスホッケーのアジアリーグのプレーオフ制度を真似たものと言われています。
アイスホッケーは、日本アイスホッケーリーグが折からの不況で参加チームが激減。シーズンを開催することが著しく困難になり、日本、中国、韓国、ロシアから参加チームを加えた新しいリーグ戦を2004年からスタートしたのです。
下剋上が起きたのは、2008年のシーズンでした。このシーズンは7チームによる総当たり制ののち、上位5チームがプレーオフに進出します。
まず第1ステージでシーズン4位の日本製紙が、第5位のHIgh1と対戦し、勝利します。第2ステージではシーズン2位の西武と第3位の王子製紙、第1位のアニャンハルラと第4位の日本製紙が対決。西武は王子製紙を下しますが、アニャンハルラが日本製紙に敗北。シーズン1位が4位に敗北するという「下剋上」が起きました。
さらに下剋上は止まりません。ファイナルでは日本製紙が西武を4勝3敗で下し、見事にシーズン4位からの日本一を達成したのです。日本国内で6から7チーム程度の参加によるリーグで4位以下のチームが日本一になるという例はこの例しかありません。プロ野球では3位以下は進出できないので起きえませんね。
従って、この2008年のアイスホッケー・日本製紙が史上最大の下克上を起こしたチームといえるのかもしれませんね。(文責:定年生活事務局)
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