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1980年のプロ野球ニュース【前編】 パ・リーグ復興の先駆け 後楽園球場が超満員となった日本ハム・近鉄の死闘

2020/10/31 

1980年のパ・リーグペナントレースは波乱だった。前期はスタートから広瀬監督3年目の古豪・南海が猛然とダッシュ。なんと、4月を首位でターン。しかし、5月に入ると、前人未到の3000本安打を達成するために巨人から移籍した張本勲が加入したロッテがリー兄弟、有藤の重量打線で他のチームを圧倒。前期優勝を早々に達成した。

後期ペナントレース。誰がこの物凄い熱気を予想したか?

 後期ペナントレースはこの年・22勝を挙げて、投手タイトルを総なめにした木田勇が在籍する日本ハムを軸に展開した。そして10月7日。この日、後楽園球場で行われる日本ハム対近鉄の最終戦は開始30分前には満員札止め。巨人9連覇の陰に隠れ、席だけが見ているとばかりに空席が目立つパ・リーグ。常勝阪急でさえ、昨年ようやく初めて80万人を超えるありさま。
 そんなパ・リーグで目を疑うような立錐の余地のないスタンド光景だった。

 後期のペナントレースは10月7日の時点で首位は日本ハム。この近鉄戦に勝つか引き分けても1974年に誕生した新生・日本ハムとしての初優勝が決まる。それを追うのが昨年の覇者・近鉄。少し前まで5位にいたが、猛然と追い上げ、この日を含めて残り3試合を全勝すると逆転の後期優勝。同じく、7日に近鉄が勝ち、その後、西武が全勝すると1979年に誕生した新生・西武ライオンズが2年目にして初タイトルとなる複雑な関係。
 仮に今日、日本ハムが負けても近鉄と西武が星を潰しあうとやはり日本ハムが後期優勝となるので、ロッテへの挑戦権は日本ハムが一番近いと言えた。

 両軍の先発は近鉄が300勝投手・鈴木啓示。日本ハムはV9巨人の胴上げ投手・高橋一三。両軍ともにベンチに近鉄は右のエース・井本隆、日本ハムはこの年、22勝を挙げ、MVPほかタイトルを総なめにした木田勇をブルペン待機させる総動員体制を敷いたが、スタンドの関心は、スーパールーキー木田がいつ登場し、日本ハムを優勝に導くかであった。

3回に早くも木田勇が登場

 2回に1点を先制しすると3回のピンチで早くも日本ハム。大沢監督は大歓声の下、木田に登板指令を出す。しかし、木田の状態は良くない。佐々木恭介に同点打を食らうと、4回にも3失点。6回には近鉄のアーノルドにホームランを食らう。

 このシーズン、既に250イニング以上を投げ、疲労が蓄積しているのか、木田のボールにキレがない。7回裏には代打・富田勝のヒットを皮切りに4連打で2点を返し、これで5対4となる。
 ところが、木田は8回にも有田修三に一発を食らう。木田勇はこの抑年以降、ホームランの配球王と言われるほど、ホームランを良く打たれたが、既にその兆候が表れていたか?ついに力尽きた木田はマウンド上で座り込んでしまう。事実上の日本ハム・終戦宣言だった。


(上記動画で1980年のパシフィックリーグの1年をご覧いただけます)

 8回からは近鉄は右のエース・井本隆が満を持してリリーフで登場。「優勝」の金縛りにあった日本ハムナインは同点のチャンスを迎えてもミスが重なり、1点しか返せない。しかし、もう試合開始から4時間以上が経過。9回に同点するだけで優勝は決まる。打順はクリーンアップ。当然、全員がホームラン狙いだ。
 9回には主砲・柏原純一が得意の流し打ちで右方向に強烈なライナーを打つがあと一歩、及ばない。
 続く、クルーズ、ソレイタの外人コンビの登場には先発3番手の村田辰美が登場。クルーズはライトフライに打ち取られ、最後は最強の助っ人とさえ、言われる「サモアの怪人」ソレイタ。
 しかし、三振に打ち取られ、日本ハムファンの期待は「あ~あ」というためいきに変わり、近鉄ファンの大歓声に変わった。日本ハム応援団の大きなくす玉が割られることはついになかった。

巨人一辺倒から時代は変わった・・・

 自力優勝を逃した日本ハムをしり目に近鉄は西武に連勝し、逆転で後期を制し、プレーオフもロッテに3連勝した。西本監督は「あそこまで鍛えに鍛え、全員が全力を尽くして戦えば、お客さんの期待に応えるゲームが出来る」と努力と誠実の人らしいコメントを残した。

 この日を取材した記者はプロ野球は巨人一辺倒から変わったと興奮した様子で記事を書いたという。
 このとき、その巨人に大激震が走ることをまだ誰も予想していない・・・。

日本ハム対近鉄 後期13回戦(1980年10月7日 於:後楽園球場)
近  鉄 001 301 010 6
日本ハム 010 010 210 5
勝利投手:鈴木
セーブ:村田
敗戦投手:木田
 
(文責:定年生活編集部)
参考文献:『熱闘!プロ野球30番勝負』(1990 文芸春秋)

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