新型インフルエンザ等対策特別措置法等の改正によって新しく設けられた「蔓延防止措置」(まん防)とは?
2021/4/12021年3月21日に2度目となる新型コロナ対策の緊急事態宣言が全国的に解除となりました。が、大阪や仙台を中心に、「蔓延防止措置」の適用が行われようとしています。ところで、この「蔓延防止措置」とは何でしょうか?「緊急事態宣言」とはどこが違うのでしょうか?
政府発表資料などを参考に見ていきたいと思います。
蔓延防止措置とは?
新型コロナウイルス感染症に係る対策の推進を図るため、「まん延防止等重点措置」を創設し、営業時間の変更の要請、要請に応じない場合の命令等を規定し、併せて事業者及び地方公共団体等に対する支援を規定するとともに、新型コロナウイルス感染症を感染症法において新型インフルエンザ等感染症と位置付け、所要の措置を講ずることができることとし、併せて宿泊療養及び自宅療養の要請について法律上の根拠を設ける等の措置を講ずるとされています。そこで、特定の地域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるまん延を防止するため、「まん延防止等重点措置」を創設し、営業時間の変更等の要請、要請に応じない場合の命令、命令に違反した場合の過料を規定したと説明されています。
これでは難解ですので緊急事態宣言との違いを軸に見ていくことにしましょう。
緊急事態宣言と蔓延防止措置の違い
過去2回出された緊急事態との最大の違いは、緊急事態宣言が都道府県全体が対象です。蔓延防止重点措置は市町村や一部地域に限った対策を打つことができる点が最大の違いといえるでしょう。
緊急事態宣言ですと都道府県単位で発令するので、例えば、東京の歌舞伎町などの繁華街が密集する地域だけを限定して防止措置を行うことは不可能でした。今回はそうした都道府県単位ではなく、区画や市町村単位ということになります。
その反面、事業者に行えるのは、時短要請、住民に知事の定める区域・業態にみだりに出入りしないことの要請イベント開催制限などになります。要するに緊急事態宣言に至る前段階の措置として、知事は飲食店などに対して営業時間短縮の命令をすることが可能となり、命令に従わなかった場合は20万円以下の過料を科すことにjなります。今回、対象となる大阪では重点措置の対象区域を大阪市内に限定し、飲食店に対し午後8時まで(現在は午後9時)の営業時間短縮を要請。マスクをしていない客の入店を拒否したり退店させたりすることや、感染防止用のアクリル板設置も求める予定。府が独自に推奨してきたマスクを着けたまま上げ下げして飲食する「マスク会食」の徹底も呼びかけるといった内容になっています。
同じ大阪でも大阪市外は「対象外」ということになります。
まず緊急事態宣言との違いはココになります。蔓延防止措置はステージ3段階で行う
緊急事態宣言との違いの2つ目のポイントは緊急事態宣言がステージ4で行うのに対し、蔓延防止措置はステージ3の段階で行うこととされています。以下、簡単にステージの違いをご紹介します。
【緊急事態宣言対象となるステージⅣ】
爆発的な感染拡大及び深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための対応が必要な状態
(主な目安)
・病床のひっ迫具合
(最大確保病床50%)
・週当たり新規報告数(25人/10万人)【蔓延防止措置対象となるステージⅢ】
感染者の急増及び医療提供体制における大きな支障の発生を避けるための対応が必要な段階
(主な目安)
・病床のひっ迫具合
(最大確保病床20%)
・週当たり新規報告数(15人/10万人)但し、感染が局地的に、急速に広がっている場合は「ステージ2」での適用もありえるとしています。
一刻も早い終息と3回目の緊急事態宣言が来ないことを祈るばかりです。
参照条文
新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置の公示等)
第三十一条の四 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。以下この章及び次章において同じ。)が国内で発生し、特定の区域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある当該区域における新型インフルエンザ等のまん延を防止するため、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を集中的に実施する必要があるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認めるときは、当該事態が発生した旨及び次に掲げる事項を公示するものとする。
一 新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を実施すべき期間
二 新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を実施すべき区域
三 当該事態の概要
2 前項第一号に掲げる期間は、六月を超えてはならない。
3 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等の発生の状況を勘案して第一項第一号に掲げる期間を延長し、又は同項第二号に掲げる区域を変更することが必要であると認めるときは、更に六月を超えない範囲内において当該期間を延長する旨又は当該区域を変更する旨の公示をするものとする。当該延長に係る期間が経過した後において、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
4 政府対策本部長は、第一項の規定による公示をした後、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、同項に規定する事態が終了した旨を公示するものとする。
5 政府対策本部長は、第一項又は第三項の規定による公示をしたときは、基本的対処方針を変更し、第十八条第二項第三号に掲げる事項として当該公示の後に必要とされる新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置の実施に関する重要な事項を定めなければならない。
6 都道府県対策本部長は、政府対策本部長に対し、当該都道府県の区域に係る第一項、第三項又は第四項の規定による公示を行うよう要請することができる。(文責:定年生活編集部)
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