明治にスタートした100年定期預金 100年後には1円が10,000円になるとのふれこみだったが・・・
2021/5/6明治33年、「100年定期預金」という商品が発売されました。満期を迎える100年後には、1円が1万円なるというものです。
100年で元金が1万倍、年利に換算すると9.75%という高利率の商品でした。この頃の「1円」は、どれぐらいの価値があったのでしょう?
明治30年代(1900年頃)の物価を見てみましょう。
・屋台の甘酒1銭(100分の1円)
・かけそば2銭
・一ヶ月の新聞購読費45銭
・散髪代15銭
・野球グローブ1円
・警察官の初任給は9円当時の1円は、今の価値で言うと5,000円程です。
1口1円で募集され、新聞広告には最良の貯金法と掲げられていた、「100年定期」。 満期を迎える2000年には、利息は1万倍、すなわち5,000万円の価値になるはずです。
満期を迎えた2000年に、5,000万円になっているかを銀行に問い合せました。
すると・・・・
『額面は1万円ですので、換金額は1万円です。』
1万円は1万円、と当時の価値は評価されず。5,000万円には残念ながらなりませんでした。100年後に、預けたお金の1万倍になると売られていた「100年定期預金」。
評価されるのは価値ではなく、額面の数字でしかありません。なぜ100年銀行に預けたお金は、目減りしてしまったのでしょうか?
キーワードはインフレ
目減りの原因は、「インフレ」です。
インフレとはインフレーションの略で、私たちが普段買っている日用品やサービスの値段(物価)が上がることをいいます。100年間で起こってきた主なインフレを見てみます。
第1回目の大型インフレ
終戦後(期間:1934~1954年)
この時、消費者物価指数 300倍にUP第2回目のインフレ
高度成長期(期間:1956~1972年)
消費者物価指数 年平均4.5%上昇第3回目のインフレ
石油危機(期間1974年)
消費者物価指数 単年で23.2%上昇100年間で物価は3000倍以上に上昇したことになります。
インフレが起こると私たちの生活はどうなるのでしょう。
例えば5%のインフレが起これば、今まで20万円で済んでいた生活費が21万円になってしまうのです。これで収入が10%増えて30万円から33万円に上がっていたらインフレは全く問題ありません。
ところが、3000倍となるとさすがにお金の価値は大きく目減りしたと言えるでしょう。さらに厄介なのが、増税です。
増税と言っても例えば、例えば、不動産にかかる固定資産税が上がりました!といっても影響を受けるのは土地の主勇者だけです。ところが、消費税は別です。
私たちの日々の暮らしに必要な消費すべてに税金がかかります。
民主党政権時代に5%から10%への引き上げが決まり、100円の消費でも105円から110円に掛かる時代になりました。
まさに、5%のインフレが起これば、今まで20万円で済んでいた生活費が21万円になってしまう時代と同じ状況なのです。(文責:定年生活編集部)
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