一人10万円の「特別定額給付金」の給付が終了。99.7%が受領。その使い道は?
2021/5/18新型コロナウイルス対策として、一人あたり10万円が配られた「特別定額給付金」の配布が終わり、想定していた対象者の「99.7%」に給付されたことが分かりました。
給付総額は「12兆6,700億円」で、地方自治体が予定していた給付金額「12兆7,344億円」の99.7%にあたります。つまり、約600億円の予算が余り、国庫に戻されます。総務省では、給付金の配布対象を「1億2,734万人」と想定していたので、その0.3%にあたる約40万人が申請をしなかったことになります。
10万円は何に使われた?
ではこの10万円は何に使われたのでしょうか?やはり、多くの方は生活費の補填に充てているようです。この比率が53%程度。約半数にのぼります。2位に貯蓄(26.1%)が上がっています。
リスクモンスター株式会社(https://www.riskmonster.co.jp/)の調査によれば、特別定額給付金の給付を受けた方に対して、受給金額10万円の消費状況を調査したところ、「0円(未使用)」(回答率36.2%)が最多となり、「10万円(全額)」(同34.1%)、「2万円以上4万円未満」(同8.7%)、「4万円以上6万円未満」(同7.0%)の順と発表されました。
性別、年代別、未既婚別でそれぞれ集計したところ、性別では、「男性」の方が「女性」よりも消費金額が大きい傾向があり、年代別においては、「20~30代」よりも「40~50代」の方が10万円を全額消費している割合が高く、消費率が高い様子が表れています。
(出典:調査結果発表:第1回 特別定額給付金の使い道アンケート(リスモン調べ))1円以上消費している方に対して、特別定額給付金の使い道について調査したところ、最も回答率が高かったのは「食品・衣料品」(回答率37.3%)であり、次いで「趣味」(同26.0%)、「その他生活費」(同26.0%)、「家電製品」(同21.6%)の順でした。
こうした数字は10万円を全額貯蓄する方と消費する方に二極化することを示し、且つ消費した方も消費の使い道は生活費であることが分かります。ただし、感染状況の収束が見えない中では、一旦、旅行などを保留しているために、見た目上、貯蓄にとどまってる部分が実際にはまだ使われていない可能性もあり、コロナ終息後の消費動向も注意深く見ていく必要があるでしょう。
ただし特別定額給付金などによって日本経済が回ると思うかを尋ねた質問では、「回らないと思う」(26.6%)、「どちらかといえば回らない」(35.3%)と、6割超の人が、特別定額給付金などによる経済活性化の影響は少ないとみており、懐疑的な見方が支配的です。今後の経済状況を悲観する方も少なくない・・・
給付金を貯蓄に回す方が生活に余裕があるか?と言えばそう簡単でもなさそうです。ニッセイ基礎研究所の調査では、給付金の使い道で貯蓄選択者は、全体と比べて収入減少や雇用の不安定化、日本経済や勤務先の環境悪化への不安が強く、コロナ禍における経済不安が強いために意識的に貯蓄にとどめていると報告しています。
また、貯蓄選択者は今後、教育費のかかる子どものいる世帯や、小売業など在宅勤務が難しく感染により仕事に直接的な影響が及ぶ就業者で多いことも発表しています。経済面をはじめとした今後の見通しについても、貯蓄選択者は全体と比べて悲観的な見方が強く、貯蓄選択者では現在の経済不安だけでなく、今後の経済不安も強いために、貯蓄にとどめている様子がうかがえます。
こうした状況はコロナに関係なく、リーマンショックや3・11の大震災の際にも起きた傾向であり、経済の不安や、社会保障に対する不安が解消されないかぎり、消費の回復は難しい状況を示しているともいえるでしょう。
(文責:定年生活編集部)
参考文献:本文中に引用のもの
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