あなたも気づかぬうちに加害者に? 「ワクチンハラスメント」被害が急増中…
2021/7/5これまでコロナ感染者に関連する差別は多く指摘されてきたが、ここに来て、新型コロナのワクチン接種に関連したハラスメントが懸念されている。今後、ワクチンの職域接種が拡大していく中で、大きな問題がワクチンハラスメントと呼ばれる問題である。
新型コロナウイルスの感染拡大とともに、感染者に対する様々なハラスメントが発生した。感染者に対する「退職勧告」のような不当解雇から、「異動命令」や「出社禁止」「時差出勤による残業の強要」「陰性証明書の提出強要」など、さらには、「除菌スプレーをかけられる」「ばい菌呼ばわり」「社内や取引先に対して感染者であることを通知」等々・・・。
そこに新たな問題としてワクチン接種にまつわるハラスメントである。日本弁護士連合会では、「COVID-19 と人権に関する
日弁連の取組 – 中間報告書 」として以下の様な警鐘を鳴らしている。「ワクチン承認後,政府・自治体が,国民全体に対してワクチン接種を積極的に勧奨していくこととなるため,行政庁による権力的契機や「同調圧力」を背景に
して,国民全体が事実上予防接種を強制される状況となり,個人の自己決定権の侵害のおそれが生じるとともに,ワクチン接種を拒否する少数者が偏見差別の対象となる
おそれも懸念される。
このように,予防接種との関係で,新たに偏見差別が生じることについても,今後,注視していき,ワクチン接種を拒否する少数者に対する偏見差別が生じないような取組を行っていく必要」があるとしている。社会的には、接種しない人をひとくくりにして、「ワクチン忌避」「リテラシーが低い」などと攻撃する「ワクチンハラスメント」の問題が生じる可能性があるのである。
ではまず、ワクチンハラスメントとしてどのような差別・偏見があるのだろうか?接種しなければ離婚?
ワクチンハラスメントとしては、主に2つに大別することが出来る。
(1)ワクチンの強制・不利益的取扱い
(2)同調圧力・差別・不利益的取扱い具体的に見ていきたい。
(1)のケースとしては、医療従事者のケースとして、ワクチンを打たないとワクチンを打たなければ、解雇or移動。看護学生であれば、実習を受けさせないとか寮生活の学生であれば、退寮を勧告するケースなどがあるようだ。医療従事者だけではない。医療従事者でない夫婦間でも、夫からは接種しないと別居を考えると言われたケースなどが報道されている。職場でワクチン接種の有無を公開することで、事実上、接種の強制が行われたり、「退職」や「休職」、「異動」といった差別もワクチンハラスメントに認定されるだろう。
(2)のケースとしては「高齢者施設に入所しているのだが、施設からは入所している高齢者は全員がワクチン接種を受けてもらうことにしており、接種しないのであれば退所して欲しい」というケース。
ワクチン接種が進めば、入庫者の方との面会が再開できるという算段であろうが、そもそもワクチン接種で感染そのものが防げるわけではないので、行き過ぎた対応ともいえるだろう。こうした対応が企業や学校まで波及すると以下の様なロジックになりかねない。ワクチンを打つも打たないも自由だよ。
↓
でも打たなければ、退職してもらうからね。
↓
その点も含めて打つか打たないかを「自由」に考えてね。ワクチンを打たないデメリット、すなわち感染症予防の効果と副反応のリスクをてんびんにかけて考えるべきであって、感染症予防と社会生活の不利益を天秤にかけさせるのは本来の趣旨とは異なるだろう。
ワクチンを接種しない理由も様々
ワクチンを接種しない理由も様々あるだろう
・インフルエンザなども含めてワクチンが嫌い
・アレルギー体質や持病といった、個人が抱えている事情が要因
・諸外国と比較してもワクチンを打つ理由が感じにくい。
・急いで接種しなくても他の誰かが接種してくれることで自分が感染しないと期待する
・国産ワクチンを待ちたい独立行政法人経済産業研究所が発表した「どういう人々が新型コロナウイルスのワクチンを接種したがらないか:
インターネット調査における検証」では、女性、高齢者以外、社会経済状況が低い人々、他人を信用しない人々、うつや不安の傾向がある人々はワクチン接種に否定的な傾向が見られたという。
学歴については、4大卒以上と比べて中学高校卒ではワクチン接種を決めていない人々が多く、中学高校卒と専門学校・短大・高専卒においてワクチンを接種しないつもりの
人々が多いという調査結果が報告されている。https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/21050005.html
(調査結果は上記リンクよりご覧いただけます)この結果からみるとワクチンの副反応(熱、全身倦怠(けんたい)感)などで一日でも休んでしまうと、減給やクビになる可能性があれば渡久地選手には後ろ向きになると言える。こうした方々がハラスメントを受ければまさに逃げ道はない状況と言えるだろう。
絶対に安全という局面はない
ワクチンを打ったからと言って、感染しないという保証はない。重症しかしないといわれても、もしかしたら重篤な副反応が出るかもしれない。だからこそ個人の決定(自己決定)は最大限、尊重されなければならない。
そのためにも悪しき風評などがなく、本人が望んでいる選択がしづらい状況が出現していないかどうかへの警戒と配慮を心がけることがこの問題を解決することにつながると言えるだろう。
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