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熱海市の土石流で再認識したい 周囲に地盤の崩れる場所ががあるかを確認するチェックポイント

2021/7/11 

2021年7月3日に静岡県熱海市で大規模な土石流が発生し、多くの方が被害に遭わられています。原因として盛り土が適切でなかったという見解があるようです。これから原因が追究されるかと思いますが、一方で気になるデータがあります。

yahooのアンケート「風水害への備えを見直しましたか?」という問いに対し、39%の方は、「特に何もしていない」と答え、「今後、備えようとしている」と回答した10%近くの方を加えると約半数の方が現状、何もされていないことが分かります。
 近年、梅雨のシーズンには大規模な水害が相次いでいます。
振り返るだけでも、
・2020年の熊本球磨川の氾濫(令和2年7月豪雨による熊本県人吉市および球磨村渡地区の洪水被害)
・2019年長野の千曲川決壊による洪水
・2018年西日本豪雨による被害
・2017年九州北部豪雨
・2015年関東・東北豪雨
・2014年8月豪雨による広島市の土砂災害

 などがあり、こうしてみると豪雨がなかったのは2016年が最後ということになります。
 このように見てみると今後、台風などではない一般的な豪雨で大規模な災害が起きうることが容易に想像できます。
 そこで今回は皆様の周りで簡単に(目視で)地盤の弱い箇所や水害が起きやすい場所をご説明したいと思います。

周辺に水路、橋、暗渠がある

「水は低きに流れる」と言うように、「低地」には水が集まりやすく、地下水位も高くなります。水路やそこにかかる橋の多くは低地にあるため、これらは比較的わかりやすい軟弱地盤の目印となるのです。あくまで目安ですが、成人がまたげないくらいの幅の水路が数百メートル以内に複数あった場合は軟弱地盤を警戒する必要があります。

 ではそれはどんな場所でしょうか?一方、見落としやすい目印に「暗渠(あんきょ)」というものがあります。

 暗渠とは、水路にコンクリートで蓋をして遊歩道などとしたもの。一見すると通常の道路と変わらないように見えますが、その下には水路が隠れています。暗渠を見分けるポイントは、入り口に車止めがあるかどうか。
 地下が水路になっている暗渠は車両の通行を禁止していることが多いためです。

 最近では、東急東横線の渋谷駅を地下化し、あった東横線のレールを撤去し、その下にある渋谷川を遊歩道化しています。

その目的の物件が坂を下りきったところにある

 その目的の個所が、坂道を下りきった場所である場合はそこが軟弱地盤である可能性が非常に高いです。水は高いところから低いところへ流れるため、雨水が集中するからです。従って、坂道の下に住んでいないか?あるいは坂道の下にある物件を購入する際には、水路の有無を確認すべきです。

周囲にイネ科の植物が生えている

 周囲にイネ科の植物が生えている場合にも要注意です。イネ科の植物は、常に水を吸い上げる必要がああるといわれています。そのため、イネ科の生える土地は地盤が弱いと言われています。
 イネ科の植物とは、イネ(米)、コムギ(小麦)、トウモロコシ、オオムギ、ライムギなど、穎果部分を食用としたものが狭義の穀物です。

 周辺にこうした穀物が生えている場合、その周辺は盤石地盤といえるでしょう。

高台ならば安心か?

 それでは高台なら安心か?といえばそうでもありません。擁壁(ようへき)というのをご存知でしょうか?「擁壁」とは、崖などの崩壊を防ぐための「土留め」として、コンクリートブロックや石などを使った「壁状の構造物」のことです。

 一般に、道路から敷地が少し高くなっていて、その上に建物が建てられる場合、書面の崩壊や建物の維持のために擁壁が必要であり、また擁壁があって建物が守られることが多いのです。

 この擁壁には一般に写真の様な水抜きが作られます。

 が、まれにこうした水抜き穴のない擁壁があります。これらは違法であると同時に、大雨などで擁壁内の土中の含水量が増加すると、その水がせきとめられることになります。すると水圧が高まって擁壁を押し、擁壁自体の崩落の危険性が生じます。

 従って、擁壁のある建物が周囲にある場合、必ず水抜き穴があるかどうかを確認しましょう。

ハザードマップを確認すること以上に日常で出来る対策がある

 災害が起きてから気象庁などは半を切ったようにハザードマップを確認しましょうといいます。しかし、最近の予想以上の水害はハザードマップの確認だけではおぼつかないケースもあろうかと思います。

 周囲の地盤は軟弱地盤ではないか?
 擁壁は適法な状態か?

 などは目視でも確認できます。熱海の例をもみてももはや水害は川沿いで起きるとは限らないといえます。まずは周囲のこうした状況を確認の上で、仮に軟弱な地盤であった場合には、早期に避難先を確保したり、避難ルートを確認することが必要になるでしょう。

 みなさまの日ごろからの防災対策の一助になれば幸いです。

(文責:200万円からの不動産投資をする大家さん)

九州を中心に200万円程度から始められる不動産投資を実践中。区分所有でも利回り13%以上を確保しつつ、売却時には購入時より高く売却することに成功。自らの手法でミドルリターン・ノーリスクを実現してもらいたいとコラムを執筆中。





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