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夏から秋にかけては資格試験のシーズン 避けて通れない「民法」の基本書問題。民法の勉強をどう進めるか?

2021/8/12 

夏本番という感じです。実はこの夏から秋にかけては法律関係の資格試験が目白押しです。特に定年退職後に資格を取得して、再度、活躍をしようとお考えの方も少なくないでしょう。簡単に秋までのスケジュールを見ると

7月:司法書士試験択一式
8月:社会労務士試験
10月:宅地建物取引主任者試験
11月:行政書士試験
11月:マンション管理士試験

 等など。この様に見ていくと、秋に試験日程が集中していることが分かります。そうするとこの夏の過ごし方が術は重要となります。
 そのためにはこの時期、ある程度の勉強時間を確保する必要があります。

特に、社会労務士試験は試験科目ではありませんが、他の試験に共通の試験科目があります。それは・・・

民法

 です。民法とは、市民生活における市民相互の関係、つまり財産関係(売買・賃貸借・不法行為など)と家族関係(夫婦・親子・相続など)を規律する法律。法律は全1044条からなる法律学の王様と呼ぼれる法律です。従って、この民法を攻略することは多くの試験をクリアすることと「=」であるといえます。

 ところが、民法は全1044条もあるので、勉強量も半端なし!そこで、多くの方は理解するために基本書を読もうとします。
 基本書とは法律の学者が書いた法律の専門書です。大学の講義で用いられている「教科書」の多くはこの基本書です。基本書は学者の研究の成果として出版されるもので、資格試験対策として書かれたものではありません。
 そのため法律に対して正確な理解をすることができるという利点がある一方、試験との関係では必ずしも試験とは関係ないことも書かれているので読んでいる時間それ自体が「ムダ」ということにもなりかねません。
 参考までに民法の世界で定番とされる基本書をいくつかご紹介いたします

①伊藤真の民法入門 第7版
②民法(全)
③民法 第10版
④民法I 第4版: 総則・物権総論
⑤民法II 第3版: 債権各論
⑥民法 III [第3版] 債権総論・担保物権
⑦民法IV 補訂版 親族・相続

 一般に、法律系の基本書の利用方法は、以下の2つがあるとされています。
利用法1:法律の全体像を理解するために通読する
利用法2:学習上躓いた特定のポイントを確認するために辞書的に利用する

 上記のうち、①は非常に本は薄く、利用法1に近いと言えるでしょう。また③も民法の大家・我妻先生の著書として知られています。我妻栄先生は岩波書店から発刊されている民法講義シリーズは民法総則から不当利得までの詳細な記述を書かれた民法の大家と言われています。その解釈は今でも民法の通説を占めていると言われています。
 その民法の大家・我妻先生が民法全体をB6サイズ・250頁程度でまとめた著書で、先生の自信作ともいわれています。1に近い利用方法と親和的でしょう。

 反対に④かた⑦の本は内田貴先生が書かれた民法の基本書です。一冊は500頁程度で、4分冊ですので、合計2000頁ぐらいの本になります。これは2の利用法に適していると言えるでしょう。反対に読破するのには非常に時間がかかるので、ある程度の時間を必要とするでしょう。

 この間でとるのが③の著書です。この本は、京都大学で民法の教鞭をとる潮見佳男先生が民法全体を700頁ほどにまとめた学習書と言われています。民法典の編成順序に従って、基本的な事柄を通説・判例に沿って著述した本です。
 従って、学術的な内容とか、面白みの全くない内容ですが、民法の全体像をつかみたい方や辞書的に使いたい方の双方に向いている本と言えます。

 まとめると宅建やマンション管理士と言った科目数が多く、難易度も高くない試験では我妻先生の民法を読んで民法の全体像をつかむことのが良いでしょう。行政書士試験の様に記述試験もある試験では、さらに深い理解が求められるので、潮見先生の著書が良いでしょう。

 民法の勉強は非常に奥が深く、且つ分量が多いので、効率よく知識を習得することを目指しましょう。
 今は以下の様なオンライン型の講座もあるので是非、活用してみてください。





(文責:定年生活編集部)



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