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始まった親の介護(3) ~自分ができる役割を担う~  小田のん

2011/12/12 

親の介護
寒さも本格的になってきましたね。
ご家族に高齢者がいらっしゃる方にとっては、冬の寒さ対策やインフルエンザも気になってくる季節です。

前回・前々回、プチ介護というテーマで、同居はしていない義父の身体の変化や生活環境、その改善への道のりをお伝えしていますが、今回はちょっと視点を変えて、まずは唯一一緒に生活している義母の心境をお伝えしたいと思います。

■同居家族へのサポートは絶対必要!■

ニ回目の終わりにちらっと覗かせた、義父と一緒に生活する義母の心境・・・。

・今夜のトイレはどうするのか
・こんなつきっきりの生活は無理
・ベッドから動かれると困る

つきっきりの介護を必要としなくても、日常生活の中でちょっとしたサポートを必要とする義父、そしてそれをサポートする義母ですが、義父の体調が思わしくない時などは、サポートする側は大変だと思います。

たまに時間を共にする別居の子供たちならともかく、四六時中顔を合わせているが故に、イライラ・ストレスも募るようです。

幸いにして、とでも言うべきか、義父は要介護を認定されたために、現在は週に三日デイサービスを利用しているので、日中家を空けていることもありますが、お世話をしてくださるデイサービス側も、
・同居している人へのサポート

についても取り組まれているようです。
義母は要介護者を抱える家族が参加できるサークルを勧められ、月に一回、サービス側が主催する「お楽しみ会」なるものに参加するようになりました。

バスに乗って団体でお食事会へ出掛けたり、季節のイベントに参加したり・・・。
介護|気晴らし
同じような境遇にあり、同じような悩みを抱える方たちとの交流は、貴重な情報交換の場になるだけでなく、ストレスの発散という点で大変効果が大きいとのこと。
・家から出る
・地域から出る
・いろんな人との交流を持つ

これは、介護される人だけでなく、介護する人にとっても必要なことだと実感しています。

実際、義母は元気で畑仕事も現役。義父のために一日家に籠っているようではストレスが溜まる一方であることは容易に分かります。
「美味しいご飯を食べに行きたい」
「旅行に行きたい」
「ショッピングを楽しみたい」

これらの願いを少しでも叶えるべく、ちょっとした買い物へ出る時でも、義母に声を掛けてあげると大変喜んでくれるものです。

■主人の力は絶対必要!■

介護|皆で協力
介護が必要な人、そして日常で介護しなければならない人、双方に必要だと思われる「家から出る」ということですが、老夫婦二人だけでは叶わないことであります。

そこで私たち子供世帯のサポートが必要となってくるのですが、前回お伝えしたエピソードで実感した
・女性にとって介護は重労働である

という点をクリアーしてくれたのが主人の力添えでした。

車事情・子供事情からも私一人で両親を連れ出すことは難しいと感じていますが、たとえそれが出来たとしても、前回の苦い経験が思い巡ってしまいます。

主人が加わってくれることで、
・家族6人が大型乗用車で移動できる
・遠出も安心
・トイレに対する安心感

を得ることができました。
さらに主人は義父にとって実の息子。やはり頼りにしているのがよく分かるのに、週末となると「明日はM(主人)は休みかい?」と聞いてくることがしばしばです。

さて、主人と私が義父を支えるとしても、ずっと歩かせる訳にはいきませんから、行き先に、
・車椅子があるかどうか
・身障者用トイレがあるか
・施設は飲食を含め、バリアフリーになっているか

などを事前に調べ、条件をクリアーし、義父でも連れていける場所を探すのは私の役目です。

普段の様子を伺ったり、義母の愚痴を聞くなど、嫁の私でもできることはあるのですが、日常離れたお出掛け、となると主人の力は絶対必要なのです! 感謝!!

■本人の意志はどうなのか?■

私たち夫婦だけでなく、義姉・義兄たちの多大な協力もありながらの義父のプチ介護ですが、
その目的は「これ以上、要介護状態とならないような回復を目指す」ことにあります。

本人にとっても、自由に身体を動かすことができ、元気に歩き回り、孫とともにいろんな所へ出掛ける楽しさは、それまでの経験から十分に分かっているはずです。
介護|体操
リハビリの先生からも、「麻痺はしていませんよ。運動が足りないから筋肉が収縮しているだけで、ちょっとした自分でできる運動ですぐに回復します」と言われ、座ってできるストレッチ方法を図で書いてもらい壁に貼ってはいるのですが・・・
なかなか取り掛からない(取り掛かれない?)のが現状です。

■プロから学んだこと■

以前、部屋の危険個所を改善させるアドバイスに来てくださっていた職員さんと義父のやりとり。

私がその場に訪れた時目に入ったのは、義父の話に耳を傾けながら涙を拭いていた職員さんの姿でした。

「こうしてみたらどうかね?」と尋ねる職員さんに、何やらボソボソと話し続ける義父、
「そうよね、お父さんはそうだったから、それはイヤなのよね」と優しく聞き入れてくれる姿だったのですが、

私たち家族にしてみれば、義父に対して、
「こういうことをやってみようよ!」
「これを使ってみたらいいんじゃない!?」

といった具合に、

「これ以上になられては困る」的な「押し付け」になっているのではなかろうか・・・と感じた一コマだったのです。

帰り際に職員さんが「また来てもいい?」と尋ねると、「あんたは毎日でも来てくれんと困るよ」と笑顔溢れる義父でした。

■自分ができる役割を担う■

義父は今日もこたつの中でテレビを眺め、天気が良く、気分も晴れている時には縁側で景色を楽しんでいるようです。

義母の愚痴が軽い日もあれば、イライラが募っているのが分かる日だってあります。

「介護」って、深刻に捉えるとすごく重た~くなってしまいます。
まだ深刻な状況に陥ってはいないから言えることかも知れませんが「必要としている人に自分ができることを施す」って、介護に限ったことではなく、私たちの生活、様々なシーンで訪れることですね。

家族だけでは手に負えない時には、専門家のサポートを受けることも大切です。

義姉曰く「できる人ができる時にやればいいよ!」的な、私たち現役世帯のゆる~いプチ介護体験記をお送りしました。

三回にわたりお付き合いくださり、ありがとうございました。

(終)

<シリーズ:始まった親の介護>
(1)義父の異変 / (2)経験してわかること / (3)自分ができる役割を担う

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