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シニアが読み解くエネルギー・環境問題(4)原発輸出は是か非か

2011/12/14 

原発輸出

原発輸出は是か非か

先ごろ国会で、ベトナム、韓国などとの原子力協定が承認され、来年1月にも発効する見通しとなりました。これらの原子力協定をめぐっては、与野党の間はもちろん、国民の間でもさまざまな議論がなされています。

「福島第一原子力発電所事故を考えると、原子力発電はもうコリゴリ。ましてそれを外国に輸出するなんて、とんでもない」「日本はエネルギー政策として、原子力発電のウエートを下げるべきだ。外国への輸出も縮小する必要がある」等々。

各国との原子力協定は、原子力発電プラントなどの輸出の前提となるだけに、慎重に判断する必要がありますが、日本の原子力技術は海外でも高く評価され、とくに新興国から強く求められていることも事実です。原子力安全技術は、今回の事故を踏まえ、さらにレベルアップする必要があることはいうまでもありませんが、原子力安全の国際協力の観点から、その是非論を判断する必要があるように思われます。
技術協力
先の国会で承認された原子力協定は、ベトナム、韓国のほか、ヨルダン、ロシアを含めた計4カ国との間の協定です。また現在、トルコ、インド、ブラジル、UAE(アラブ首長国連邦)、南アフリカの5カ国と協定交渉を進めています。日本はすでに、米国、中国など7カ国及び欧州原子力共同体と原子力協定を締結しています。

原子力協定はもともと、輸出した原子力発電プラントを相手国が軍事目的に転用したり、第三国に移転したりすることを防ぐことが目的です。しかし、近年は、それらに加えて、原子力の安全技術協力や人材育成などを目的として、協定を要請する国々が多くなっています。

原子力発電は、第二次大戦後、米国、旧ソ連、英国が相次いで商業用プラントを完成させ、電力供給を始めました。日本は、やや遅れたものの1966年に初の商業原子力発電所の運転を開始しました。原子力大国と言われるフランスに先んじて商業運転を始めたわけで、現在、米国、フランスに次ぐ、世界第三位の原子力発電国となっています。その間、ほぼ半世紀にわたって国内電力供給に主要な役割を果たしてきました。
原発輸出
ただ、今回の事故によって、日本では原子力発電に対する見直し論が高まっていることは確かです。原子力発電所事故は、いったん起きると、長期にわたって取り返しのつかない事態となります。それだけに、安全確保対策には、これで万全というレベルはありません。東日本大震災は、沿岸地域はもちろん、原子力発電所に対して想定外の津波をもたらしました。どの程度の津波を想定するかは別として、さらなる安全対策が急がれます。

日本の原子力発電所の安全対策は少なくとも、これまでは世界のトップレベルとされてきました。そのため、各国、とくに新興国からは、技術協力、技術指導、人材派遣の要請が多く寄せられています。新興国では、国民の暮らしの向上のため、電力・エネルギー供給の増大が求められています。
原子力に関しては、その効率性、経済性から、導入を目指す国々が多いのも事実です。その際、安全技術対策は不可欠となります。日本の技術協力、とりわけ、今回の大震災の教訓を踏まえた、高度な原子力安全技術は、国内はもちろん、海外からも強く期待されています。原子力発電を利用する国々に対しては、その安全確保の上からも、日本の技術協力は重要な役割と考えますが、いかがでしょうか。

シニアが読み解くエネルギー・環境問題

(1)脱原発は可能か / (2)スマートコミュニティづくりを急げ /
 
(3)日本は資源大国になれるか / (4)原発輸出は是か非か /
 
(5)相次ぐ電力各社のメガソーラー事業 / (6)河川水や都市排熱の有効活用を
 
(7)エネルギー選択に重要な発電コスト / (8)“水素社会”が到来する? /
 
(9)下水汚泥が都市ガスに変身? / (10)原子力に代わる天然ガス? /

(11)太陽光発電はどこまで安くなる? / (12)動き出した暮らしのエネルギー革命

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