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やはりサブリースは危険! 定年後のなけなしのお金を狙う甘い言葉には気を付けよう

2019/2/19   さん

レオパレスの施工不良の問題で、またもや浮き彫りになったサブリースビジネス。かぼちゃの馬車事件が始めとするサブリースをめぐる不動産投資トラブルが頻発しています。
 そこで、改めてサブリースは本当に「安全な投資」といえるのかどうか?再度、検討してみたいと思います。

サブリースとは?
 まずはサブリースの定義について見てみたいと思います。サブリースとは、業者が物件を所有者から借り上げ、入居者の有無にかかわらず一定の賃料を保証して支払う仕組みです。
 ここがポイントですね。「入居者の有無にかかわらず、一定の賃料を保証」することが不動産業者から「安全な投資」と言われる?大きなポイントです。

 特に、レオパレスの場合、オーナに対し、「なぜサブリースという形態をとったのですか?」という問いに対し、「上場会社が30年、家賃を保証するから」と答えていたのは印象的でした。ほかにもサブリース契約を受けた際に、このような謳い文句を目にしたことはありませんか?
▽年収250万円台から大家になれる
▽元手不要
▽保証人不要
▽借金があってもできる
▽家賃120%保証
▽定額20年保証
 
家賃120%保証は意味不明ですが、まずはどんな経済状況になってもそもそも家賃は同じ金額で保証されるのでしょうか?

家賃保証の罠
 結論から申し上げると、家賃が30年間、同一金額で保証されることはないです。断言できます。まず、家賃は、2年ごとに見直しをされます。もちろん、見直しの結果、賃料は維持されるケースが多いですが、例えば、2008年頃のリーマンショック級の経済状況が襲った場合にも賃料は維持されるのでしょうか?
 この点、平成15年10月21日の最高裁判決が参考になります。この最高裁判決では借地借家法32条の解釈をめぐってこの条文を強行規定と言っただけではなく、「減額請求の当否及び相当賃料額」を判断するにあたり、「賃貸借契約の当事者が賃料額決定の要素とした事情その他の事情を総合的に考慮すべきである」とし、不動産業者による賃料の減額を肯定するに至りました。
 この判決に対しては、借地借家法32条が予定している相場とに乖離を是正するための判断ではなく、サブリースに特有の事情を考慮した大岡裁きという指摘もあります(内田貴『民法Ⅱ 債権各論(第3版)』(2011 東京大学出版会)

・解除が出来ない?
 この理屈を前提に、サブリースのケースでは、オーナーと賃借人である不動産業者が普通借家契約の借家人です。
 従って、普通借家契約の場合、正当理由がないと契約を解除することは出来ません。この場合の正当理由とは、例えば、賃料を滞納したとか、オーナーに無断で第三者に又貸ししたケースなどがあげられます。
 が、サブリースの場合はそもそも又貸しが前提ですし、不動産業者ですから賃料の滞納もあり得ませんので、なかなか契約できることは少ないといえるでしょう。むしろ、上記・減額交渉の結果、オーナーの物件維持費用より、賃料が下回ることも理屈上はありうるのです。まさにサブリースは奴隷契約といえる状況ですね。

借り上げた不動産業者が倒産した場合には…
 今回、レオパレスの施工不備による賃借人立ち退きのケースでは、多くの賃借人に立ち退き要求をし、その後、施工をやり直しをする公算です。
 が、一部のオーナーが懸念するように、仮に不動産業者の資金繰りが困窮すれば…。残るのは空き家になった建物だけでということも…。

この様に見えると、賃料保証というのは、一見、空室時も賃料が保証されるのでリスクがないように思います。
しかし、この様に見ていくと、サブリースは安全どころかとても危険であることを再度、申し上げたいと思います。皆様の周りでもサブリースについて真剣に検討されていらっしゃる方がいらっしゃれば、一度、立ち止まって再考されることをお勧めします。

 また定年生活では総額・200万円から始められる画期的な不動産投資法のコラムもご紹介しています。併せてご参考にしてみてください。

200万円から始める画期的不動産投資法 【第1回】

(文責:定年生活事務局)
参考文献:内田貴『民法Ⅱ 債権各論(第3版)』(2011 東京大学出版会)



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