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残された人の生活保障

2016/6/1 

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自分が亡くなった後に残される子どもや配偶者に精神障がいや認知症、もしくは浪費癖がある場合に、その財産管理を今からきちんと整えておきたいというご相談があります。今回の事例はこの問題をいかに解決するかについてお話ししたいと思います。

○家族構成
父、長男、長女
長男は同居していて、軽度の精神障がい者で浪費家。長女は結婚して子どももいて別生計で暮らしている。

○財産構成
自宅不動産、アパート1棟、預貯金、生命保険

○父の要望
①自分の死後、自宅は長男に住まわせたいが、その生活が心配。
②財産を長男に渡してしまうと、無駄使いをしてしまうので、長女に管理してもらいたい。

○成年後見制度の利用を検討
長男は医師の診断を受けるのを拒否しているため、成年後見制度を利用できません。仮に医師の診断を受けたとしても、精神疾患の診断が出ないと成年後見制度は利用できません。
長男は財産を浪費してしまうので、安易に相続財産を渡すわけにもいきません。かといって長女に全部渡してしまうと、長女が万が一のことがあると、長女の財産は長女の配偶者や子どもに相続されてしまい、その後長男の生活をきちんと見てもらえるか分かりません。

○民事信託を利用した場合
父の遺言書で長女を受託者、受益者を長男として民事信託を設定します。
受託者とは、財産を管理する人、受益者とは財産からの収益を受け取る人です。父が亡くなった後は、長女が不動産を管理して、その収益だけを長男が受け取るという形を作れます。そうすることで長男が存命中は、不動産収益で長男の生活を維持することができます。長男はまた、自宅不動産に住み続けることもできます。もし長男には家が広すぎるということであれば、長女が受託者として自宅を売却して、別の家を用意することも可能です。
万が一長女が先に亡くなったとしても、2次受託者を決めておけば、長男の権利は確保されます。
さらに、長男の死後は、その収益権と所有権を長女の子に承継させることもできるために、最終的には財産は長女側に戻ってくることになります。
このように民事信託の特徴は、①財産を管理する人と収益を受け取る人を明確に分けることができ、②財産の承継者を一代先だけでなく、その次の世代まで決めることができます。
この特徴を詳しく説明しましょう。
財産の管理者と収益を受け取る人を分けることの効用は、財産を管理することがうまくできない精神障がい者の方や認知症の方、または未成年者の生活を守るということが挙げられます。財産管理ができない人を守る制度には成年後見制度がありますが、成年後見制度は財産が家庭裁判所の管理下に置かれるために自由な財産管理ができません。また後見監督人などの全く関係のない第三者が関与してくることもあります。さらに今回の事例にように後見制度自体が利用できないケースもあります。民事信託は、後見制度の資産運用の固定化というリスクを避け、関係者の中で最適な人(家族)に財産管理を任せる(信託)ことができるのです。

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