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年金問題 世代間格差をどう考えるか

2011/7/5  今加羅幾三 さん

年金|世代間格差年金制度において世代間での不公平が問題視されています。
年金制度はこれからの若い世代にとっては本当に不利なのだろうか。いや、私はそうではないと思っています。

その理由はこうです・・・現在の高齢者やシニア世代は、確かにこれまでに払った年金保険料の7倍近い年金をもらっています(厚生年金の場合)。
これは随分と恵まれた現代老人であることは否めません。これに対してこれからの若い世代は2~3倍しかもらえない。だから世代間で不公平があるという意見です。

しかしこれはある一定の前提を条件に置いた場合の計算においては間違ってはいませんが、だからといって高齢者の年金を大幅に引き下げたほうが良いという意見は当てはまらないと思います。私から辛口で言わせてもらえば、社会の経済が時代と共に変わる中で損得を論ずることがどれだけ意味があるのか疑問だからです。

新聞報道によれば、現在の若者は、昔の世代と比べると多くの所得を得ています。年金制度の中だけで世代間の損得を論ずることにどれだけ意味があるのでしょうか。
将来の人口変動、物価変動・賃金の変動、積立金の運用利回りの変動、年金改革・保険料を一時金に換算する率等々の変動などさまざまな変動で社会が変わっていくわけですから時代を遡及しての比較論は当てはまらないと思います。

厚労省の試算では若い世代も払い損はないことになっていますが、若い世代は支払った保険料より年金給付が少ないという「払い損」になるという試算もあります。では、この違いはどこから来るのかをもう少し詳しく考えてみたいと思います。

ご存知のように私たちの厚生年金は事業主(会社)が半分負担しています。
そこで年金をサラリーマンが負担していると考えるのか、そうでないかの違いで大きく考えかたが違ってきます。
若い世代が「払い損」になるという考えかたでは、事業主負担分はサラリーマンが負担していると仮定しています。事業主負担の保険料は、サラリーマンの賃金の引き下げという形で転嫁されると仮定しているわけです。

つまりこういうことになります・・・事業主が負担する社会保険料や法人税などは、ほかに転嫁されることはありますが、負担の転嫁はサラリーマンの賃金引き下げということだけにはならないのです。
それには・・・商品価格の引き上げ・原材料価格の値下げなどの要因も考えられます。
生産性の向上によって負担を吸収することもあるでしょうし、事業主負担分の保険料の全額がサラリーマンに転嫁されるとして試算するのは妥当ではないと思います。

世代間で不公平が生じるのは、賦課方式では当然だと思います。それでは積み立て方式にすればよいかと言えばそれも問題があります。
世代間対立を大げさにあおってもしかたがありません。損得計算の議論をするにしても厚労省の試算だと2005年生まれでも、厚生年金(基礎年金含む)で3倍、国民年金(基礎年金だけ)でも1.7倍であり、決して払い損にはならないことになっているようです。

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