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元気で働くシニア・・・Mさん(64歳男性、看護師)

2013/2/15 

介護施設の看護師として大活躍

中高年|定年後も働く

◆金の卵だった看護師◆

Mさんは看護職に就いて45年以上のキャリアをもつベテラン看護師です。
現在は老人介護施設の看護師リーダーとして活躍中。

Mさんのキャリアが長いのは、中学を卒業してすぐ看護師の道を歩み始めたからです。
小学5年生のときに父親が他界。家族は母と2人の姉、そして妹ひとりの5人でしたが、一家の生活は苦しく生活保護を受けていました。
当時は生活保護を省略して○生(マルセイ)と言われ、そのことが生涯を通じてMさんの負けん気の元になっています。

勉強が苦手だったから、と笑うMさんですが、家庭の事情もあって高校へ進学せず、中学卒業と同時に金の卵といわれた准看護師への道に進みました。
東京の病院で働きながら資格をとり、そこで知り合った東北出身の女子学生が今の奥様です。
シニア|働く
今でこそ看護「師」と呼称が変わりましたが、当時は当然のごとく看護「婦」の世界。男性の職員は珍しく、力のいる作業などはみなMさんにまわってきたとのこと。
やがてMさんは正看護師になって結婚し、帰郷すると精神医療現場の看護師として働くようになりました。

◆転職と病気◆

精神医療に携わって20年以上同じ病院で働いたMさんですが、40歳代半ばに異動を打診されます。
それは透析室の室長にという話でしたが、人間関係の軋轢により退職。知人のラブコールで葬祭会社の営業に転職します。
それまでも、多くの患者さんの死を見とどけてきましたから、その職業はMさんにとって受け入れやすいものでした。
定年後の生活|葬儀
ところが転職3年後のある日、四十九日の法要で墓地に随行していたときに吐血し、重度の潰瘍で1ヶ月間入院・療養しましたが、半年後にやむなく退職。
やっぱり精神医療看護の仕事に戻りたい! と思ったMさんは、地元を離れ単身赴任で他の病院へ就職しました。もう50歳目前でした。

中学卒業と同時に自活してきたので、身のまわりの世話には困りません。
ただ、痴呆が始まった実母を妻に任せたまま自分が家を離れるのは申し訳なく、それだけに今も奥さんには頭が上がらないそうです(お母様は昨年ご逝去)。

◆働けるうちが花◆

ご存知のように看護職・介護職は年齢に関わらず引く手あまた。別の言い方をすれば就活戦線では万年売り手市場です。
多少体力に難があっても、蓄積された知識と経験を求める医療現場はたくさんあります。

Mさんは60歳の定年を過ぎても単年更新の雇用契約を結び、65歳まで同じ職場で働こうと思っていました。ところが再び病魔が襲ってきたのです。
2年前の冬、夜勤の最中に我慢できないほどの頭痛と吐き気に襲われ、救急車で搬送。
命に別条はなく数日の検査入院で済みましたが、原因不明の頭痛は取れず、めまいにも悩まされるようになって退職しました。

アパートを引き払って13年ぶりに郷里に戻り、数ヶ月のあいだ療養に専念しました。
そうするうち、帰郷のことをどこで聞きつけたのかかつての同僚が見舞いに来てくれ、そのときに老人介護施設での看護師募集の話を聞きます。
そのまま年金生活に突入することもできましたが、Mさんにはまだ働く意欲がありました。

老人介護施設の看護師・・・・・・?
若い看護師らを獲得するための病院間の争奪戦は激しく、介護施設の入り込む余地はありませんが、実際はどの施設も喉から手が出るほど看護師を必要としているのです。
介護施設での業務は医療行為といっても比較的軽度で、勤務シフトも病院ほど過酷ではありません。
働くシニア
働けるうちが花!
Mさんはそう思って採用試験に応募し、採用されたのです。

毎朝、Mさんは職場までの2kmの道をリュックを背負って歩きます。
行きは上り坂、帰りは下り坂。糖尿病を心配されていた血糖値はぐんと下がり、ご飯がおいしく食べられます。

唯一しんどいな、と感じるのは夜間の急な呼び出し。介護師の医療行為は今のところ認められていないので(徐々に解禁へ向かっている)、ちょっとのことでも看護師免許をもつMさんに連絡が来るのです。
真冬の寒い夜中はコタエますが、それでも頼りにされるのは嬉しい!

今年65歳を迎えるMさん。孫に少しお小遣いをやれるぐらいの収入があればいいんだと笑います。
働き続けてもう50年になろうとしています。
手に職をつければずっと働けるよ、と言われた亡き母の言葉を実感しています。

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