定年後の生活・・・シニアの群像(7)独立開業・・・事業の成長を生きがいに
2013/4/3独立開業で充実した定年後を
カルチャーセンターを経営
愛知県にお住まいのMさん、今年喜寿を迎えます。家族は奥様と二人。二人の娘さんはいずれも嫁つがれています。
静かな暮らしのように思われますが、本人は、毎日結構忙しく過ごしています。というのも、Mさんは、今、カルチャーセンターの社長さん。名古屋市を中心に、8ヵ所のセンターを運営し、あちこちを飛び回っています。
社員も10人ほどに増えました。当初は、お花教室やピアノ教室を開設していましたが、現在は、学習塾が中心で、貸し教室もあります。
一時、リーマンショック後の深刻な不況で、事業が行き詰まり、廃業も考えました。しかし、持ち前のがんばり屋と、逆境こそチャンスという経営哲学で、昨年あたりから事業が持ち直してきました。
Mさんは、現在、次の事業のシーズ探しに余念がありません。
開業のために若いうちからこつこつ貯金
高等学校まで愛知県で過ごしたMさんは、大学は東京の一流私立大学に進学し、4年間、経済学や経営学を学びました。卒業と同時に、大手自動車メーカーに就職し、各地の支店などを回りました。Mさんは、自動車メーカーへの就職について、こう話しています。
「自動車が好きだったわけではありません。当時、自動車メーカーは高度経済成長の最先端を走っており、最も成長性の期待される業種でした。加えて、給料が、当時としては産業界でトップクラスだったことが魅力でした」
Mさん、就職に際して給料が魅力だったというのも、実は、学生時代から、何か事業をやりたいという夢があったからです。
といっても、すぐに事業を立ち上げるにはそれなりの人脈、資金が必要です。そこでまず、給料のうちから資金をこつこつ蓄え、それを将来の事業資金に充てようと考えたのです。
月々の給料からはもちろん、年2回のボーナスはほとんど全額、貯金に回したといいます。
定年と同時に事業を立ち上げ
そうした資金確保の努力が実って、50歳になった頃には、相当の資金が蓄えられたようです。自動車メーカーにおけるMさんの立場は、課長職でしたが、Mさん自身は、会社内での昇進や出世には、それほど関心がなく、ひたすら将来の事業の夢を追い続けたようです。
その頃から、カルチャーセンターの開設を考え始め、あちこちの物件を探し、少しずつ土地を購入したそうです。
会社での定年は60歳。定年と同時に退職し、会社設立など事業の立ち上げに全力投球しました。
当時は、比較的好況だったせいもあり、教室の開設や生徒の募集も順調に進んだようです。
苦しいときにこそ、次の展開の芽が
しかし、2008年に起きたリーマンショックにより、世界的に景気が落ち込み、日本も深刻な打撃を受けました。Mさんの会社も例外ではありません。負債を抱え、教室を縮小したり、社員もほとんどいなくなるなど、崖っぷちに立たされました。
Mさんは、そうした窮状を今、振り返りながら、こう述べます。
「事業はとても小さなものですが、苦しいときにこそ、次の展開の芽が生ずるものです。
私には老後の人生という生き方はありません。この事業をどうやって伸ばしていくか、その成長の楽しみが私の生きがいです」
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