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老後の生活と年金(2)~年金は自己責任の姿勢で~  小田のん

2011/9/19 

前回、老後の生活における収入の軸となる年金について、「受給見込み額を把握する」、「受給開始年齢を把握する」、「相談窓口を利用しよう」という提案をいたしました小田のんです。

今回は「相談窓口を利用する」という点について、さらに具体的なお話をしたいと思います。

◆相談窓口で多いケース◆

なぜわざわざ相談窓口へ足を運ぶことを提案するのか・・・。
まずは以下のケースをご覧ください。

■転職が多かったAさん(女性)の場合■

定年後の生活と年金現在63歳のAさんは現役時代に転職が多く、ご主人の扶養だったり、ご自身が厚生年金に加入していたり、国民年金のみの加入期間があったり・・・。

Q.ご自身の年金に関してはどのようにお考えでしたか?

A.現役世代のころは言われるがままに払っていた、という感じです。
団塊世代なので制度がいろいろと変わった時期がありましたが、何せよく分からなかった。でも兎に角、会社を変わればそれに合わせるという感じでした。

Q.ご自身が受給できる年金額について考えるようになったのは?

A.50代に入ったころからです。そろそろ老後の設計をしなければと思い始めた時期でした。
それまでは「年金があるから何とかなるだろう」くらいにしか思っていなかったのですが、さすがに目前となってくると果たしてどれくらいの金額が貰えるのか・・・これが明確にならないことには老後の設計も違ってきますから。

ただ、厚生年金もあるし、納付期間も十分あると思っていたので、満額でないにしてもそこそこの金額ではないかと思っていました。

Q.受給できる具体的な年金額をどのように知ったのですか?

A.自分自身の生活・働き方がこれまで様々だったし、制度への理解度も浅かったため、自分で年金給付見込み額を算出するにはとても複雑でした。
大方これくらい、という予想は持っていましたが、より具体的な金額を知りたかったので相談窓口へ足を運ぶことにしたんです。
すると、自分で計算していた納付期間と違っていたため、予想より少なそうだということが分かりました。
老後の生活と年金

Q.予想より少なかったことに対して、どう対処されたのですか?

A.そうは言っても老後の最低限の生活すら送れない、という金額ではなかったんです。
ただ、普通に生活する上では賄える金額だったんですが、私なりに老後にやりたいことなんかもありましたから、もう少し余裕が欲しいなと思ったんです。
そういった事を相談したところ、任意加入制度のことを知りました。60歳以降も任意で保険料を納めることで、年金を増やすことができるという制度ですね。
これに加入することと、早い段階で知ることができたので個人年金も増やそうと…。

Q.もし50代で知ることがなかったらどうでしたか?

A.慎ましく生活するには不足はなかったかも知れません。でも当然、豊かな老後、とは言えないと思います。最近は「ねんきん定期便」によって受給見込み額を毎年確認することができますよね。でもその頃にはそういったものはなかったですし、年金は全てが自己責任です。

受給見込み額が満足いくものだったとしても、早い段階ならまだまだ豊かな老後を目指す時間的・体力的なゆとりがあります。
私の場合はたまたま早い段階で知ったことで、理想の老後生活により近づくための対策をすることができ、老後の安心に繋がりました。

Q.年金に関して、これからのシニア世代、今のシニア世代の方たちにアドバイスをお願します。

老後の生活と年金|定年生活A.先ほども言いました「年金は全てが自己責任」だということです。
支給開始年齢になっても何もしなければ貰えない、というのは皆さんご存知のことだと思いますが、そのほか、例えば免除申請なども自分で行わなければ、追納することができたり、満額でないにしろ支給対象期間に含まれるのに、未納になるだけ。

そういったことを見逃していても早い時期に知れば、それなりの対策ができる訳です。
年金制度はこれまでに変更があったり、特に女性となると定年まで一つの会社に勤務し続けた、という人は少ないと思います。転職が多かったり、失業期間があったり、扶養期間があったり・・・女性だけでなく男性でも早い段階で確認しておくことが大事ではないでしょうか。

私の周りでも、支給開始年齢になって初めて分かった、という方も少なくありません。もっと早くに分かっていれば何か手が打てる制度を利用できたのに、自分から出向かないと誰も教えてはくれませんし、一人ひとり状況が違うので複雑なんです。自分が望むような老後生活を守るためには、全てを自己責任のもとで把握し、実行する、そしてそれでも足りない部分をどうするか、それを考える期間を持つにも早い段階で確認しておくことをお勧めします。

Aさん、ありがとうございました。

◆シニアの皆様、如何でしたでしょうか?◆

定年後の生活と年金
年金は全てが自己責任・・・制度の変更や問題が取り沙汰されているからこそ、自己責任において受給する権利を守っていかなければなりませんね。

Aさんの場合は、早い段階でご自身の描いた老後生活を守るべく実行したことで老後生活への不安を払拭することができたとのこと。
ご自身の老後生活をより具体化するためにも、ご自身の年金について知るということは重要なことです。
でも現実、年金だけでは具体化できそうにない、年金だけではまだまだ不安という方もいらっしゃることでしょう。

次回は、自身の老後生活についてしっかりと見定め、早い段階で「独立」という選択をしたYさんの体験をご紹介したいと思います。

「年金」、「独立」に関して、ぜひ皆様のご投稿お待ちしております。

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