降ってわいた借金の相続問題
2013/2/26 法律相談 さん
一人暮らしをしていた妹が急な病で亡くなったのは、8ヶ月前のこと。
妹は生涯独身でしたし、両親もとうの昔に亡くなっていたので、私が妹の葬儀や住まいの片付けなどをおこないました。そうした手続きがすべて終わって、またいつもの生活をおくっていたある日、妹に借金があることが分かったのです。きっかけは、金融会社の代理人を名乗る弁護士からの通知でした。
私は妹の遺品を整理する際、当然、通帳などもきちんと漏れなく探し、わずかな残高の預金しかないことを確認し、葬儀や片付けに足りない分は自腹を切ったのですが、妹は預金がほとんどないどころか、借金を抱えていたのです。妹の自宅にあった通帳からは、借金らしいものの引き落としの形跡はまったく見当たらなかったため、気づくことができていませんでした。
あわてて問い合わせてみると「あなたは相続放棄をしていないからこのお金を払う必要がある」と言われたのです。
相続放棄は、妹が亡くなってから3ヶ月以内にしないといけなかったようで、その期間は過ぎてしまっていました。今まで貯めてきた我が家の貯金から払えない金額ではありませんが、そうでなくとも葬儀代や片付けで何十万というお金が飛び、さらに妹の借金の肩代わりのお金まで持っていかれてしまうなんて、夫にも申し訳なく、涙ながらに事態を打ち明けました。
すると夫はさっそく、インターネットでいろいろ調べてくれて、こう言ったのです。
「○○さん(妹)が亡くなってから3ヶ月以上たっていても、借金の存在を知ってから3ヶ月以上経過していないと申し立てれば、大丈夫かもしれない」と。さっそく弁護士に相談し、相続放棄が今からでもできる可能性がじゅうぶんにある、とお答えをいただいたので、手続きをおまかせし、何とか借金の相続はしなくて済む結果となりましたが、本当に冷や汗ものでしたし、弁護士への報酬の負担は発生してしまいましたので、まったくの無傷でこの問題を終えることはできませんでした。
こうした「家族が知らない借金」による相続問題は、多分、全国いたるところで起きているのではないでしょうか。一人暮らしの高齢者が暮らす世帯が増えている今なら、尚更この問題は深刻化しているのでは、と思います。
このことがあって、私たち夫婦は「自分にもしものことがあった時のために」と、夫婦間で自分名義の通帳や証書をまとめ、お互いに「どんな財産がどれくらいあるか」と説明しておきました。私たちには借金こそありませんが、相続財産を知っておくことは、非常に大切なことだと感じたからです。
いずれ夫か私、どちらか先に亡くなった場合は、子に同じことを説明することになるでしょう。
もともとほとんど交流がなかった妹でしたが、「隠していた借金のせいで面倒なことになった」と、相手が亡くなっているにもかかわらず、一時的に憎む気持ちが生まれたことは事実です。そんな醜い気持ちを生じさせないためにも、相続について生前から考えておくことは大事だと思いました。
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