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平社員に逆戻り

2013/6/10  しまじろう さん

定年後も仕事
今年、定年退職を迎えるまで、私は課長だった。
しかし今は、平社員である。

どういうことかというと、話は一ヶ月ほど前にさかのぼる。今年、定年退職となった私が、家事をまるでやらずテレビやパソコンばかりを見ているので、妻に叱られたのだ。

「もう仕事に行ってないんだから、少しぐらいは家事を手伝ってよ」

妻にこのように叱られたのだが、私が家事をするということがあまりピンとこなかったので、「仕事ならやる気が出るんだが家事はどうもなあ・・・」と答えた。

ところが次の日。
妻の態度と口調がいきなり変わった。

ある日は、「3時までに、お風呂をきれいにしておいてくれたまえ」
そしてまたある日は、「今からこの洗濯物をこのようにたたんでくれたまえ」などなど、家事の命令をするようになったのだ。

一体何なのかと一瞬あっけに取られたが、すぐに、なるほど、と理解した。
私が「仕事ならやる気が出る」と答えてしまったために、妻は「家事を仕事のように命令すれば、私がそれを仕事と見なしてこなしてくれるのではないか」と判断したのだろう。

妻のユニークな発想に内心笑いそうになりながら、「かしこまりました」と答えて、言われた家事をこなすことにした。
しかし面白いことに、こんな「ごっこ遊び」のようなものでも、これは今の私の仕事なのだ、と自分に言い聞かせれば、意外とやれるものなのだ。仕事の効率が悪い、仕事が雑だ、と思われたくないという意識から、家事を効率よく、かつ丁寧にやろうとする意識が芽生えるようになった。

こうして、妻の家事業務命令は毎日、なにがしか出るようになった。そしてつい先日「しかしこれじゃ、こっちが平社員みたいだな」と言ったら、「当たり前だろう、君は家事はまだまだ初心者なのだから、立場は平社員も同然だ、私はベテラン上司だぞ」と笑いながら返されてしまった。いやはや、ぐうの音も出ない。これは一本取られた。

ただ、今は平社員でも昇進・昇給の可能性があるらしい。上司である妻が私の家事を査定するらしく、うまくいけば昇進して、小遣いのベースアップもあるとのことだ。

私の現在の小遣いは、月1万円である。現役時代から比べると金額は激減しているが、働いているわけでもないし、煙草も嗜まないのでこの金額でも何とかなるからまあいいか、と思っている。しかしこの小遣いも、家事をきちんとこなして上達し、無事に昇進すれば月額1000円から2000円ほどのベースアップをしてくれるそうだ。

何にせよ、私の第二の人生はまた、平社員からのスタートとなった。妻の手のひらで、いいように転がされているようにも感じるが、この歳になって、これからの残りの人生を夫婦で仲良く歩む必要があるのだから、ここでわざわざ亭主関白を気取って大きく出る必要もあるまい。
我が家は今のような「家事の時だけかかあ天下」が、ちょうどいいようである。

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