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グロリアのジーナローランズがかっこいい

2013/7/1  mizo さん

映画|ジーナローランズ
グロリアという映画が好きです。
もう三〇年くらい前の映画なのですが、ものすごくいいんです。ジャンルはB級のアクション映画なのですが、傑作中の傑作なのです。ちなみに、リメイクしたものは最低です。オリジナルの方です。

主人公はジーナローランズ。この頃ですでに結構なおばさんでしたから、五〇歳は越えていたのではないかと思います。
ストーリー自体は単純。マフィアのボスの情婦のグロリアことジーナローランズが、ひょんなことから裏切り者の家族の生き残りの子どもを保護する。これを殺せというボスに逆らって子どもを守り、マフィアと全面対決するというアクションもの。詳しい方は、このストーリーはジャンレノの出世作「レオン」とよく似ていることがわかるでしょう。
また、B級のゆえんは、見るからに低予算であること。当時は派手なカーアクションばやりのハリウッドで、この映画では壊れたクルマは確か1台か2台。派手なオープンセットもなく、町中で撮っていることがわかります。映画自体はこの程度のもの。

これがどうして傑作かというと、主役のジーナローランズがあまりにもかっこいい。
くたびれたギャングの情婦という年相応の役なんですが、8センチのピンヒールを履いて、背筋がぴんと伸びて、町中をかっかっと闊歩する姿がしびれます。足をがっと開いて銃を構えて啖呵を切る姿もかっこよく、若い女優には絶対出せない「味」とか「渋さ」とか「貫禄」というものがにじみ出ているのです。

映画の中でもグロリアはピンヒールを絶対に脱がない。家の中とか、足音を立てないように脱出するシーンとかは別ですが、走って逃げる時も、追いかける時も、絶対にピンヒールでぴしっぴしっと動くわけです。
それが長年ギャングの情婦として生きてきた生き様を見せつけてくれます。矜持とかプライドとか、誇りとか、自信といったものがすべてこのピンヒールに込められているのです。
「あたしゃ、こうやって生きてきたんだよ」
というグロリア姉御の誇り高い声が今でも聞こえてきそうです。
ほんと、かっこいいんだ。

監督はジョンカサベテス。実はジーナローランズの旦那さんです。最もジーナをかっこよく撮る監督ということですね。
どんな年齢になっても若い者に負けない主役を張ることができる、という好例です。もちろん、日本人でこの年代でこれだけのピンヒールをはきこなす人はいないだろうと思います。だからこそかっこいいんですね。ジーナおばさん、まだ生きてるんだろうか。

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