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後悔しかない二世帯住宅

2014/9/18  悦子 さん

定年後の生活

私は二世帯住宅に住んでいます。

23年前、夫が「二世帯住宅を建てよう」と言った時に、もっとよく考えて反対するべきでした、当時は義父母ともけっこう仲良くやっていけてましたし、元々私たちが住んでいたアパートと義父母の実家がかなり近い距離だったため、義父母とは日頃からよく会っていたので、「台所や風呂なども一切共有しない完全分離の独立二世帯住宅なら、大丈夫」と考えてしまったのが甘かったのです。

「味噌汁の冷めない距離に住む」というのと、二世帯住宅に住むのとでは、似ているようで実態はまるで違うのだと言うことが分かりました。義父母に悪気はなかったのでしょうが、ちょっとしたことですぐにこちらの家にやってこようとするようになり、まるで生活が義父母に監視されているかのような錯覚を覚えたものです。これがまず、二世帯住宅に住んだことに対する第一の後悔でした。

第二の後悔は子育てです。
子育てを手伝ってあげるという名目のもと、義父母が息子の欲望のままにいろんなものを買い与えてしまったため、幼少時にして息子は「おじいちゃん、おばあちゃんにねだったら何とかしてもらえる」という打算的な考えを持つようになってしまいました。しつけのために我慢をさせようと思っても「じゃあおばあちゃんに買ってもらうもん」などと平気で言うような情けない有様でした。

そして、つい最近、第三の後悔がやってきました。
昨年義父が亡くなったのですが、「お母さん一人じゃかわいそう」という名目で、独り身の義姉が義母宅に転がり込んできたのです。義母も娘だからかわいいのか、義姉との同居を断ることはなく、あっさりと受け入れてしまいました。もちろん私は夫に義姉が来るのは嫌だと伝えましたが「あっちはおふくろの家なんだからこっちが口を出すことじゃないだろう」と、取り合ってもくれません。

いくら完全分離とは言え、壁一枚を隔てたところに、勝気で我侭放題の義姉が住むことは、まさに私にとっては地獄です。あそこに連れて行け、など、自分の都合で夫を使うのは当たり前、日常生活で義姉が立てる騒音が響いてくる毎日、そして「身内」という言葉を盾にした度を越した詮索、干渉に、私の忍耐力はもう限界に近づいています。

私にとって、二世帯住宅に住んだことは、後悔しかありませんでした。今もハウスメーカーが「自分たちのペースで生活できる、気兼ねしなくていい二世帯住宅」などといった宣伝文句を出しているのを見ると、あなたたち自身は本当にその二世帯住宅にストレスなく住めるのかと、怒りがこみ上げてきます。

これからの自分の人生をどうしようか、今真剣に考えています。まずは、もうすぐ住宅ローンが終わるので、その際に私たちの住まいを賃貸に出して、私たち自身は高齢者向け賃貸にでも移り住もうかと夫に提案してみようかと思っています。義姉のほうから出て行ってくれることはないでしょうから。私たちが夫婦で出て行くことに夫が賛同してくれないなら、私一人でも出て行くしかないでしょう。老後の生活を迎えてまで、これ以上の後悔を積み上げていきたくはないのです。

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