結婚の形

2011/7/15  水越ひろ さん

定年生活|結婚の形プロポーズされた時に私は主人に訊きました。
「私の全てになってくれる?」と。主人は「勿論なるよ」とあっさり答えてくれました。

私は、極度の子宮後屈で、おまけに血を作る事があまり上手に出来ない不出来な身体を持っていましたので、最初から子供を授かろうとは思っていなかったのです。
勿論、主人にも義父母にもその事は伝えてありました。
ですから、私は何度も念を押して、私の全てになってくれるかと訊いたのです。
それに加えて、当時主人と私が住んでいる町には天の川で隔てられた程の距離が有りました。結婚するとなれば、長年住み慣れた故郷を離れ、両親や友達とも遠く離れて暮らす事になるのです。
寂しがり屋の私を心配した両親が同じ様な事を主人に訊いた事もありましたし、私達の結婚を思い留まらせようとした事もありました。
そこで主人が思っていた「曖昧な全て」と、私が思っていた「具体的な全て」に既に差が生じているのですが、若い私達の想いは強く結婚に至る事が出来たのです。
私の言っていた「全て」とは、本当に私の子の様に、両親の様に、そして友達になってくれるか? と云う意味でした。

新婚当時、まだ平社員で残業ばかりだった主人に「話が違う!」と私は良く怒っていたものでした。何の事かサッパリ見当が付いていない主人に「私の全て」の本当の意味を訴えましたところ、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして驚いていたのを、今でもはっきりと覚えています。
大きな声で笑い出した主人ですが、その後もう一度「お前の全てになってやるよ」と約束してくれました。
仕事をサッサと片付けてしまわなければ、家に帰ると荷物をまとめて実家に帰るフリをして不貞腐れている私が待ち構えていますので、主人は誰よりも仕事を早くやり遂げました。
おかげで実績が認められ出世も人より早く出来ましたが、仕事の付き合いで遅くなる事もできませんので、今考えると職場では「付き合いの悪い人」と思われていたかも知れませんね。

人見知りの激しい私には、やはり中々友達も出来ませんでしたし、お喋りをする友達を作ろうにもお国訛りの強い所でしたので、はっきり言って何を言っているのか全く分からない事さえありました。
子供もいませんので、ご近所で生まれた犬を頂いてきて少しは寂しさも紛れましたが、毎日ワンちゃんと会話していると虚しくなって泣けてしまう事もありました。
その分休日には遠出して遊園地や動物園に連れて行って貰ったり、映画館へ行ったり、日常では、テレビで見た他愛も無い話を聞いて貰ったりしていました。
主人は、まるで私を育てるかのように接してくれましたし、友達にもなってくれて本当に私の全てになってくれました。

と、過去形でお話ししたいところなのですが、このような暮らしが実は今も続いているのです。
ようやくお友達が出来ても、やはり主人が私の親であり、親友であり恋人なのです。
いい年をして、と思われているかも知れませんが、こんな夫婦が一組くらいいても良いですよね。
主人はどう思っているか解りませんが、約束は約束なのですから。

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