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二人でぼちぼち歩こうか・・・

2011/11/14  史子 さん

定年後の生活|足の病気病院を出て玄関口に立ち、夫と二人タクシーを待つ。杖をついた老夫婦や親子、ニ・三組の中に混じって他愛ない世間話に耳を傾けることもある。身体の不自由さや日常生活の大変さ、薬の種類や病気のことなど…。週に一回、そんな光景の中に私たち夫婦が混じっている。

現役の頃は近所でも力ならうちの夫、と言われるほど、小柄な身体ながらがっちりとした体つき、力自慢には自信を持っていた夫であるが、今はその頃の面影もなく、外出することも少なくなり、夫婦二人で出掛けるのは週に一日、夫の薬をもらいに地域の病院へ足を運ぶことのみ、となってしまっている。

子ども三人を立派にとまでは言えないが、社会の一員としての自覚を持つくらいまでに育てあげ、一番下の息子も遅ればせながら嫁をもらい、ほっと肩の荷が降りたような、ようやく自由になったような、そんな新たな人生を踏み出し、これから楽しく賑やかな生活を送っていこうと心躍らせていた矢先のことだった。

現役の頃にも会社での精神的ストレスから胃を半分に切除する手術をしたこともあったが、復帰したのちも退職したのちも、まだまだ現役とばかりに体を休めることなく元気に働いていた。
一番下の息子の結婚式の日、折角だから観光をして帰ろうという話しになったのだが、「どうも足が痛くてたまらん」と、夫が体の不調を訴えたのが始まりだった。

その後も傷みが酷くなり、とうとう血管が詰まっていることが分かり、何度かの手術を経て現在に至っている。
手術をする度に身体の自由が奪われていっている様で、今は杖なしでは危なっかしくて歩けない。杖があってもちょっとの時間、歩くことがままならないのだ。そんな訳で、行きは嫁の出勤途中で病院に降ろしてもらい、帰りはバス停までも歩くことができない夫と二人、そう遠い訳でもない自宅まで戻るのに、二人タクシーを待つのである。

息子夫婦が近くに住んでいることが何とも心強いのであるが、仕事・家庭に一番忙しい現役世代であるから、あれもこれもは頼めない。お金で済ませられることならタクシーに限らず、田のことでも人に頼もうと思ってはいるが、いつでも気に掛けてくれ、少ない休日を返上して出来ることはやってくれようとしてくれる息子、遠方の病院への通院を送迎してくれる娘、夫婦二人の生活では到底作ることのないメニューを、たくさん作ったからと、時折運んでくれる嫁。週末に遊びに来てくれる孫たち。

夫婦二人の引退生活であるが、不自由すること、不満に思うことは何もない。ただ夫の足が少々不自由になっているだけのこと。今日も病院を出て天気の良い中、「二人でぼちぼち歩こうか」と夫に呟いていた。

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