「買い」が好きな人々
2012/1/30 金閣寺 さん年始のテレビを見ていたら、初売りで福袋が飛ぶように売れている、というよりまさに熾烈な争奪戦というニュースをやっていました。
デパートやファッションビルの周りはおろか最寄駅の構内にまで続く長い列。行列の先頭の人は新年2日の初売りのために大晦日から並んでいたといいます。
そのエネルギーはいったいどこからわいてくるのでしょう。毎年恒例の福袋争奪戦を見ていると、あの手の買い物好きには特徴があるように思います。いえ、非難しているわけではないので福袋好きの皆さんはくれぐれも誤解なきよう。
最近はあらかじめ中身がわかっている福袋もあります。そちらもかなり人気で、欲しいものが入っていれば当然お得だし、バーゲンでお目当て品をゲットするようなもの。
ただ、この中身がわかっている福袋を買う人は私がいいたいところの「福袋好き」とは別人種です。この「種あかし済み」福袋を買う人たちの目的は「物」だからです。いっぽう正真正銘、筋金入りの福袋好きは中身には頓着していません。彼・彼女らの目的は袋の中身ではなく「買い!」という行為そのもの。
そんなことない、とおっしゃるかもしれませんが、だって中身がわからないけど買うわけでしょう? わかっているのは10万円相当が1万円、という価値のみ。
ふつう自分好みのデザインや色、サイズすらわからないものを買いますか? まさに蛮勇(あ、ごめんなさい)。福袋好きの人たちは一様に「中身がわからないところがいいんじゃないの」と言います。
そう! まさしくそこなんですね。
何が入っているかわからないけど「買う」。そこにゾクゾク感があふれるわけです。
ある高級デパートが売り出した「出会いの福袋」なんてその究極のもの。いま流行りの「婚活」を反映したお見合い「権」が入っているのだとか。中はモノじゃなくて「人」。どんな人かわからないけれど、縁あって人生をともに送るかもしれない人。
それこそ「夢」を買う、の醍醐味です。別のニュースで、年始に水揚げされた本マグロが築地の初競りで一尾5,649万円で落とされた、というのも聞きました。なんと1kgあたり21万円のマグロ。
この価格は昨年より、2,000万円以上も高いそうです。
そのマグロが例年と比べてとびきり上等だったり、あるいは驚くほどのキングサイズだったというわけでもないらしい。もちろん、産地も鮮度も申し分ないことは確かです。
ここ何年かは中国香港系の寿司チェーンが連続で落札してきたけれど、今年は何が何でも日本の企業が、ということで価格がどんどん高騰したといいます。適正価格よりも意地のぶつかり合い。
5,600万円のマグロの寿司は、一貫1万円以上にしないと元がとれないそうですが、いつもどおり一貫400円で出したのこと。
マグロを扱った漁港関係者のコメントは、「俺たちも(これからの漁に)ファイトがわくね」。落札価格の8割が漁師の手に渡るというからそりゃあファイトもわくことでしょう。このマグロの競りも、「物」というより一年にいっぺんの心意気を見せるための「買い」。
買い物は、時として「物」ではなく「買い」が先行するのもなるほど納得できるのです。
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