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旅行へ行きたい

2011/8/12  鏡子 さん

旅行に行きたい特集記事に掲載されている古都鎌倉を、懐かしい思いで拝読させていただいた。

五年前、老人ホームに入った母がまだ元気だった頃、母と兄弟夫婦でよく旅行へ行ったことを思い出す。
父が早くに亡くなったため、母は長く一人暮らしだった。特に病気をすることもなく、ホームに入るまでは足腰も丈夫で私たちの足でも一時間ほどかかるデイサービスへもよく歩いて出掛けていたものである。
兄弟の子供たちもそれぞれに独立した頃から、シニアになった私たち兄弟は母に誘われ、何かのお祝いの折、季節の良い折によく旅行へ行くようになった。海外こそ行かなかったが、遠くは北海道を三泊四日、その間も母は誰の手を借りることもなく、自分の足でしっかり歩き、シニアの私たちと同様に動き回り、食を楽しみ、皆で旅行を存分に満喫することができた。

そんな母が老人ホームへ入ったのは、認知症が出たためである。兄から「お袋がちょっとおかしな事を言う様になった」と聞いてから一年ほどは、確かに時々おかしなことは言うけれど、一人暮らしに影響するほどではないと皆一様に感じていた。しかし、だんだんと日常生活に危険を伴うこととなり、「子供たちに迷惑を掛けたくない」という母の願いもあり、老人ホームへ自ら入ることを決意したのである。

老人ホームに入ってからしばらくは、集団生活にもうまく馴染むことができ、それまでデイサービスでお世話になっていた勝手知ったる施設であったこともあり、日々の活動を楽しみながら生活している様子であったが、最近では段々と認知が進み、健康上は何の問題もないのだが、一日の殆どをベッドで過ごすようになってしまった。

そんな母を見ながら、「旅行に行ったのがついこの間のようだ…」と兄弟口を揃えて言うのであるが、そんな兄弟たちも「膝が痛い」「手が痺れる」など、それぞれに歳を取っているのを感じている。
子供たちが独立し、シニア世代に入った頃には「さあ、これから自由!楽しむぞ~!」と精力的に旅行を楽しんでいた私たち。母が元気でいてくれたお陰で、若い頃にはパンフレットでしか眺めたことがなく、いつかこんな所へ行きたい、と日々の雑多の中では夢のまた夢であった旅行をたくさん実現することができた。

私たち夫婦も母のように、それぞれの子供に時間的な余裕ができた時には、皆を旅行へ招待しよう、と前々から語っているのだが、遅目に結婚した子供たちはまだまだ現役子育て世代…。しかも子供たちがシニアになった頃には、こちらの体が言うことを効かなくなっているのではないか…と少々焦っているのである。
「旅行へ行きたい…」。隣で足を擦る夫を横目で見ながらボソッと、そう呟いてしまった。

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