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世相を斬る!(24)企業年金、くれぐれも慎重に

2012/3/30  臥龍 さん

オピニオン|世相を斬る
AIJ投資顧問による年金消失問題は、刑事事件に発展する公算が大きくなっています。
それで思い出すのは、2年前に65歳で退職した知人の話です。知人の会社は中小企業で、企業年金を積み立てていたようです。
退職後、国の厚生年金に加えて、企業年金を受給できたのですが、知人は、退職に際して、掛け金のほぼ全額を一時金で受け取ることにしたそうです。
というのも、企業年金の運用が、リーマンショック以降、厳しくなっていることに加えて、勤めていた中小企業自身も、経営が悪化していたからだといいます。
つまり、企業年金はこの先どうなるか分からない、それだったら、企業が元気なうちに、一時金で返してもらった方が得策と判断したようです。

AIJ問題が表面化する以前ですので、まさか、年金が消失するなんてことは、想像もしていなかったのですが、結果的には、「あの時、一時金でもらっていて良かった」と振り返っています。

世のすべての企業年金が、AIJのような問題を抱えているわけではありませんが、共通していえることは、日本経済がかつてのような右肩上がりの成長が、もはや望むべくもなくなったということです。
AIJの年金資産の消失は、資産運用の失敗とされていますが、資産運用の失敗でなくても、投資顧問会社や証券会社、銀行などの金融機関の資産運用は、相当厳しくなっていることは事実です。
資産運用の大半は、株式や投資信託ですが、いずれにしても、株式資産は長く保有すればするほど、目減りしていくのが現状です。
高度成長時代には、株式投資は高収益が望める格好の運用対象だったのですが、今は、大きなリスクを抱えています。
短期で利ざやを稼ぐプロのトレーダーならいざ知らず、一般の投資家や、投資顧問会社でさえ、元本の大きな損失を覚悟しなければなりません。

AIJ投資顧問の淺川和彦社長は、企業年金基金から預かった年金の運用が、うまくいっているように見せかけた「虚偽の説明」をしたとされています。
ご本人は「だますつもりはなかった」と国会で説明していますが、誰も最初から、相手をだまそうと思う人はいません。
運用の失敗が深みにはまり込み、次第に抜き差しならぬ事態に陥った挙句、虚偽の説明を重ねたと思われます。
その意図がどうであれ、虚偽の説明による勧誘は、明らかに「詐欺罪」に相当するといえます。

年金資産を個人的に流用したとなれば、言語道断ですが、虚偽の説明によって、運用資産の拡大を図ったとすれば、年金をまさに食いものにしたといわざるを得ません。
企業年金基金に天下っている多くの旧社会保険庁の天下りも、AIJの片棒を担いだ点で、AIJと同罪といえます。
老後の生活の多くを年金に託しているシニアにとって、企業年金の行く末にはくれぐれも慎重な配慮が求められます。

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